しかし、もっと重要なのは、企業そのものの成長です。金融・保険業を除く企業全体の当期純利益は、2000年頃は10兆円前後だったのが、最近では80兆円を超えています。この四半世紀で約8~9倍に増えました。
内部留保の中でも特に「現預金」は300兆円を超え、企業の財務体質は過去最強と言えるほどに強化されています。ここまで企業が力をつけた時代は、日本の歴史の中でもほとんどありません。
企業は豊かになっているのに
なぜか賃金は上がらない
しかし、皆さんのなかに、景気が良くなったと実感している人はどのくらいいますか?ほとんどの人が、家計の豊かさにはつながっていないと感じているのではないでしょうか?それがなぜなのか、をよく考えてほしいのです。
たしかに、企業の業績は飛躍的に伸びました。しかしですよ、法人税の税収はこの四半世紀を見ると、10兆円~12兆円だったのが、最近は14兆円から19兆円程度。企業の利益の割には法人税の税収は、ほぼ横ばいです。
一方で、国民が日々の生活で負担する消費税収は、なんと2000年代初頭は10兆円だったのが、今や25兆円を超え、大幅に増加しました。
にもかかわらず、私たちの所得はほぼ横ばいのままです。実質賃金はむしろ下がっています。企業は低金利の恩恵を受け、最近では歴史的円安の追い風を受けて過去最高の利益を更新しています。それでも家計には十分に回ってきませんでした。この現実を見ると、胸が苦しくなります。悔しさや危機感が込み上げてこないでしょうか?
企業は豊かになったのに、家計は豊かになっていない。この構造を変えなければ、日本は「賃金が上がらない国」のままです。
利益にアクセスするための答えは
貯蓄から新NISAへ変えること
──ここで私は懺悔します。この原因のひとつに、「残念ながら『トリクルダウン』は起きなかった」ことが挙げられます。
私が初当選したのは、2005年です。あの時期以降、よく聞かれた議論として「トリクルダウン」という言葉がありました。このトリクルダウンというのは、まずは大企業が儲かれば、やがてその富は滴り落ちるようにその下の中小企業や地方、そして私たち個人に広がっていくという考え方です。たとえるならシャンパンタワーのようなイメージでしょうか。







