株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか?「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」―そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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買った値段は、売りの判断と関係ない
窪田さんは、チャートを使ったトレード判断について、次のように語っています。
「個人投資家・初心者が株式投資で勝つために、最初に学ばなければならないことは、“買い値にこだわらない”ことです」(『株トレ』より)
多くの個人投資家は、「自分がいくらで買ったか」という過去の判断に意識を引きずられがちです。その結果、合理的な判断ができなくなってしまいます。
含み損が出ていると、「ここで売ったら損が確定してしまう」という気持ちが先に立ち、下がり続ける株を抱え込んでしまいます。一方、含み益が出ると、「利益があるうちに、利確したい」という心理が働き、まだ上昇トレンドにある株であっても、早々に売ってしまう。
その結果、「損を膨らませ、利益を削る」という、非合理的なトレードを繰り返してしまうのです。
どちらを売るべきか?
ここで、単純化した次のようなケースを考えてみましょう。
2社のローソク足(週足)チャートがあります。3週前、両社とも株価が1,000円のときに購入しました。
今、急きょ資金が必要になり、どちらか一方を売らなければならなくなりました。
あなたなら、どちらを売るでしょうか。

A社は、3週連続で陽線が出ており、ここで売れば、10%の含み益を確定できます。
一方、B社は3週連続で陰線が出て、株価は10%下落しており、売れば損切りになります。
感情的には、A社を売って利益を確定したくなるかもしれません。
しかし、冷静にチャートを見れば、次のことがわかります。
・A社の株が買われている。買いの勢いが強い。
・B社の株が売られている。売りの勢いが強い。
つまり、今後下がりそうなのはB社であり、売るべきなのはB社です。
窪田さんは、「利確か損切りか」で判断するのではなく、「今、どちらを保有し続けることで資産が増えていくか」という視点を持つことの重要性を強調しています。含み損益も実現損益も同じなのです。
多くの個人投資家がやってしまう失敗
繰り返しになりますが、多くの個人投資家が犯しやすい過ちは、「上昇した銘柄を売り、下落した銘柄を持ち続ける」という行動です。
これは、良い銘柄を手放し、悪い銘柄を手元に残すことになるので、あなたのポートフォリオからは次第に優良株が消え、問題のある銘柄ばかりが増えていくのです。



