「うちの子、ノートがぐちゃぐちゃで……」
「丁寧に書きなさいと言っているのに、全然直らない」
そう悩む親御さんは多いですが、実はノート指導には多くの家庭が気づかずにやってしまう“落とし穴”があります。良かれと思って言っている一言が、子どものやる気を奪ってしまうこともあるのです。では、子どものノート力を本当に伸ばすには、親はどのように関わればいいのでしょうか。本記事では、「ノート」の書き方が学力に直結するという持論をもち、『中学受験必勝ノート術』(ダイヤモンド社刊)の著書もある超人気プロ家庭教師・安浪京子先生へのインタビューをもとに、子どものノートを見るときの着眼点についてお伝えします。(取材・構成/ダイヤモンド社書籍編集局 井上敬子)
計算を書くスペースも適当、マス目や罫線も無視。筆圧も弱い。ノートの書き方を知らない4年生の子の算数ノート(提供:安浪京子先生)拡大画像表示
「ノート」を書く力は、ここ数年で劇的に失われている
拙著『中学受験必勝ノート術』は2021年に出した本ですが、その後さらに、こどもたちのノートを書く力が失われていることに危機感を持っています。
最近、現場で明らかに増えていると感じるのが、そもそも「書き方を知らない子」です。
たとえば、冒頭に出したのは4年生の子の自宅学習用の算数ノートです。
本来、右のマス目には式や計算を書かねばならないのですが、マス目も罫線も無視して、適当な場所に筆算を書きなぐっています。
どの問題の計算をどこにしているかもわからないし、筆圧も極端に弱く、字が薄くてほとんど読めません。
入塾試験を突破しなければ入れないような難関塾に通っている子ですら、このような状況なのです。
教育現場で「ノートの書き方」を教えなくなってきている
これは、「ノートの書き方」を教わる機会が減ってきていることが原因だと思います。
今の塾はノート指導をほとんどしません。ノートの提出をする機会もあまりないので、チェックもされません。
学校でも、タブレット学習が導入されたり、アクティブラーニングが増えて、個人でノートを書く機会が減っています。
ノートの左上に問題集のページ数や日付を入れ、左端に問題番号を書いて…というような、超基本的なノートの使い方すら、教えてもらったことがないという子も目立ちます。
つまり、ノートの書き方を知らないから書けない、という子が増えているのです。
このような子たちは、書き方を具体的に教えてあげると、驚くほどすぐに変わります。
次のノートは、冒頭の子の指導に入った後のノートです。同じ子とは思えないほど違っています。
冒頭と同じ4年生の子。書き方を指導すると、見違えるようにととのったノートに。提供:安浪京子先生拡大画像表示
筆圧をしっかりかけること、マス目や罫線に沿って書くこと、字の大きさを揃えること、問題番号を書くこと……。
こうした基本を一つずつ伝えると、同じ子とは思えないくらい整ったノートになります。
もちろん、子どもですから、やる気のない日はぐちゃぐちゃに戻ってしまうこともあります。
それでも、気長に指導を続けると、自分自身「きちんと書いたほうが、頭も整理されて解きやすいし、間違えにくい」と気づくのでしょう。次第に整ったノートを書くようになってきます。
逆にいえば、「ノートの書き方を知らないためにぐちゃぐちゃになっていた」子は伸びしろも大きいのです。
ぜひ、拙著『中学受験必勝ノート術』なども参考に、子どもにノートの書き方の基本を教えてあげてください。
*本記事は、「中学受験必勝ノート術」著者の安浪京子先生へのインタビューから構成したものです。



