「勉強ができるからほめるのではなく、ほめることで自己肯定感が上がり、子どもは勉強が好きになる」――進研ゼミの「赤ペン先生」全国代表である佐村俊恵さんは、こうした信念を持って、多くの子どもたちと接してきた。赤ペン先生の間で伝わる「ほめノウハウ」を使いながら、20年以上にわたり、のべ8万枚以上の答案を見続けてきたという。
この記事では、佐村さんの新著『57年間、9200万人の子どもを励まし続けた 赤ペン先生のほめ方』の発刊を記念して、書籍の一部を掲載する。

【要注意】子どものやる気をいっきになくす「親の行動」2パターンPhoto: Adobe Stock

子どもの「熱量」に、同じ温度で返す

 私たちが指導する際、最も気をつかっていることのひとつが、子どもたちが発信してきた「熱量」にいかにチューニングを合わせるかということです。

 子どもが「これを見て!」と高いテンションで投げてきたボールを、私たちがサラッと受け流してしまっては、その子の意欲はしぼんでしまいます。逆に、自信なさげに投げてきたボールに対して、過剰に高いテンションで返しても、引かれてしまうでしょう。

 あるとき、「バスケを一生懸命やっている」と答案に書いてきてくれた子どもがいました。その答案のおたよりコーナーには、その子のやる気や意気込みを表すように、ものすごい量の「キラキラスタンプ」が押されていました。

 このとき、もし私が「バスケがんばってね」とだけ、返事していたらどうでしょうか。「僕の熱い気持ちが伝わらなかったのかな」と落胆させてしまったかもしれません。

 ですから私も、「きみがバスケに全力投球している気持ち、ガッチリ受け止めた!」と言わんばかりに、たくさんのキラキラとバスケットボールのイラストを添え、「先生も特大の花まるとキラキラで応援するよ!」とメッセージを返しました。

子どものテンションが低いときは?

 逆に、おたよりコーナーのメッセージのテンションが低いときや、答案に空欄が目立つようなとき、むりやり「がんばれ!! ◯◯さんならきっとできる!!」と、高すぎるテンションで励ましても、かえって子どもの負担になることがあります。

 そんなときは、「難しかったのに、最後まであきらめずに提出できたね。そのがんばりがとってもうれしいよ」と、そっと寄り添うようなメッセージを送ります。

 このように、赤ペン先生は子どもたちが投げてきたボールの「重さ」や「速さ」を感じ取り、それを「鏡」のように映し返すことで、「自分のことをわかってくれている」という安心感を育んでいるのです。

(本記事は、佐村俊恵著・ベネッセ「進研ゼミ」監修『57年間、9200万人の子どもを励まし続けた 赤ペン先生のほめ方』をもとに作成しました。)