「勉強ができるからほめるのではなく、ほめることで自己肯定感が上がり、子どもは勉強が好きになる」――進研ゼミの「赤ペン先生」全国代表である佐村俊恵さんは、こうした信念を持って、多くの子どもたちと接してきた。赤ペン先生の間で伝わる「ほめノウハウ」を使いながら、20年以上にわたり、のべ8万枚以上の答案を見続けてきたという。
この記事では、佐村さんの新著『57年間、9200万人の子どもを励まし続けた 赤ペン先生のほめ方』の発刊を記念して、書籍の一部を掲載する。
(構成/藤田美菜子、ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)
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名前を呼ぶか、呼ばないかで特別感が変わる
子どもたちへの声かけにおいて「名前」を意識することは、私たち赤ペン先生が指導の中で大切にしているエッセンスのひとつ。
赤ペン先生のメッセージでも、「◯◯さん」と呼びかけ、「あなただけに向けて伝えているよ」という特別感を感じてほしいと思っています。
自分という個人が「尊重されている」という実感を得ることで、自己肯定感は育つからです。
自分の名前は子どもにとって「個性」そのものであり、特別な意味を持つもの。そこで私たちは、呼びかけ以外にも、折に触れて子どもたちの名前を話題にします。
特に、低学年の子どもたちにとって自分の名前を「漢字」で書けるようになることは、とてもうれしく、誇らしいことです。
例えば、1年生や2年生のおたよりコーナーで、自分の名前に入っている、高学年で習うような難しい漢字を書いてくれることがあり、その一生懸命に書こうとする意欲にはびっくりさせられるものがあります。
そこを逃さず、「名前に使われている難しい漢字が書けてすごいね!」とほめてあげると、翌月には難しい漢字をさらに上手に書けるようになったりします。
「自分の名前のこの字がきれいに書けたらすてきだよね」というように、名前にひもづく形での提案は、とりわけ子どもたちの心に響くようです。
実際に、名前に含まれる文字をきっかけに、他の文字に対してもていねいに向き合う姿勢が育っていく様子を、私たちは何度も目にしてきました。まさしく「名前は魔法」なのです。
(本記事は、佐村俊恵著・ベネッセ「進研ゼミ」監修『57年間、9200万人の子どもを励まし続けた 赤ペン先生のほめ方』をもとに作成しました。)





