学びという無限ゲームは、単なる一時的な努力ではなく、続けてこそ意味があります。
「教える」というしくみを取り入れることで、途中で諦めず、困難を乗り越えながら、しぶとく学び続ける道を築いていくことができます。
教えるために考える作業が
自分の能力も引き上げる
ここまで、自分が教える立場に立ち、主体的に学ぶ方法について考えてきました。
教える立場に立つと、それまで気づかなかったことや、見えなかった景色が少しずつ見えてきます。
こうした視点の変化が、学びに深さと広がりを与え、学びを継続的に発展させるための土台になります。
先生になるとき、最初に考えなければならないのが学び手の学習計画です。
これは「何を、どの順番で学べばよいのか」を示すカリキュラムと言い換えることができます。
ここではまず、教え手として考えるべきカリキュラムの内容を整理してみましょう。特に、自分が学び手だったときには気づきにくいポイントに注目してみてください。
・基礎知識、事前知識を確認する
まずは、学び手が内容を理解するために必要な基礎知識を持っているかをたしかめます。もし十分でなければ、そこから教え始める必要があります。
・新しい知識やアイデアをわかりやすく伝える方法を考える
基礎が整ったら、新しい知識をどのように伝えるかを考えます。人によって理解の仕方はさまざまなので、伝え方も工夫が必要です。
・理解を深めるためのやり取り、議論、問題演習を用意する
学びが一方通行にならないように、学び手とのやり取りを大切にします。質問を受けつけたり考える課題を出したりして、理解を深める機会をつくりましょう。問題集を用意して、どこまで理解できているかを確認することも効果的です。
・知識を発展させ、考え方の幅を広げる
最後は一番難しいステップです。学び手がさらに先へ進めるように、より難しい課題を出したり、学んだことを定着させるための繰り返し練習をすすめたりします。学びが長く続く方法を一緒に考えてあげることも大切です。
同書より転載 拡大画像表示
このように考えると、自分が学び手だったときとは比べものにならないほど、先生として考えることが多いのに気づくことでしょう。
『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』(飯田史也、日経BP)
学び手は一人ひとり異なる事前知識を持ち、理解の方法や学んだことを覚え続ける方法もさまざまです。
もちろん、学び手の中には、学びに前向きでない人や、迷いを抱えている人、やむを得ず学んでいる人もいるでしょう。そんなとき、教える側のモチベーションが下がることもあるかもしれません。
しかし、ここで少し立ち止まってみてください。
教えるという経験そのものは、自分の学びをより深くする機会でもあります。どのように伝えれば相手に届くのか、どの順序で学べば理解が進むのかを考えることは、まさに自分の学びを振り返り、再構築するプロセスです。
先生になることは、学びを深め続ける最高の方法のひとつです。自分自身の成長のために、ぜひこの視点を活かしてみてください。







