「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。その中から「きもちをいろんなことばでつたえよう」という項目を取り上げる。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・佐藤里咲)

「東大に合格した人」の親があえて教えていなかった、たった1つのことPhoto: Adobe Stock

「どんな気持ちになった?」

最近、ある名門小学校の先生と話す機会があった。
その先生がこんなことを言っていたのだ。

「東大に行く子の親ほど、ちゃんと教えようとしないんです」

正直少し意外だと思った。
その先生は、あるエピソードを教えてくれた。

子ども同士で喧嘩になり、一人が泣き出してしまったときのこと。

泣き出した子どものお母さんは、こう聞いたという。

「◯◯ちゃんは、今どんな気持ちなの?」

その子は最初、泣いたままだったという。
「わかんない……」と言って、うまく言葉にできない。

多くの親はここで、「何があったの?」とまず聞いてしまう。

だが、そのお母さんは違った。

「今、どんな気持ちなの?」

そう聞くと、子どもは少しずつ言葉を探しはじめた。

「……なんか、急に取られてびっくりした」

そのお母さんはそのあとにこう言ったそうだ。

「びっくりしたんだね。じゃあ、次は何をするべきなのかな?」

そう問いかけ、子ども自身が何をすべきかを考えさせたのだ。
その先生は、こう続けた。

「この子、そのあともずっと、自分の気持ちや考えを言葉にするのがうまい子でした。自分の気持ちを表せるから、自分が次にどんな行動をとるべきなのか考えられるようになるんですよね

わからないことがあれば、
「どこまではわかるけど、ここから先がわからない」と言える。

そしてその子は、後に東大に合格したという。

その子どもの親は特別なことを教えていたわけではない。
むしろ逆で、「こう言いなさい」という正しい答えを、あえて教えていなかった。
自分の気持ちをまず認識させて、そのあとに取るべき行動を考えさせていたのだ。

自分の気持ちを話せるようになろう

小学校入学前後から知っておきたいルールや習慣を93個紹介している本まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「きもちをいろんなことばでつたえよう」という項目がある。大切なのは、決まった表現で伝えるのではなく、自分の言葉で気持ちを伝えることだ。

「東大に合格した人」の親があえて教えていなかった、たった1つのこと『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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・うれしいとき①:ヒーロー みたいに じしんに あふれているんだ
・うれしいとき②:とりの ように とんでいきそう
・うれしいとき③:わたあめ みたいに ふわっと とけそう
・うれしいとき④:いま ぼくは あかく もえあがるような きぶんだよ

(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』p.129より引用)

自分の気持ちを相手に伝えるというのは、大人になってからも必須のスキルである。
だからこそ、「自分の思っていること」を言葉にして伝える練習を子どものうちからしておきたい。