VWの最新2L・TDIエンジン(EA288エボ)は、クリーンな性能も大きなアピールポイント。ツインドージングシステムと呼ぶSCR触媒コンバーターの2系統化により、NOx排出量を従来比で最大80%削減することに成功している。これは2系統に分けた触媒コンバーターを同時に作動させるのではなく、コールドスタートでは第1SCRのみ、排気温度が250~300度に達すると第2SCRに切り替えるシステムである。高速巡行時などで排気温が高温になると、アンダーボディに設置した第2SCRが排出ガスを浄化する、こうした工夫を通じて、前述のようにNOx排出量を最大で80%も削減したのだ。ディーゼルを一段と地球に優しい存在とするVWの積極姿勢には目を見張るものがある。

 また、水冷式EGRシステムの冷却効率向上を図った低圧EGRシステムも技術上のハイライトだ。ターボの下流から取り込んだ二酸化炭素を燃焼室内に入れて、燃焼温度を下げる。この工夫でNOxの排出を抑え、環境性能の向上を図っているのだ。

 コモンレール式の燃料噴射システムは、2000バールもの高圧で、1回の燃焼あたり9回の分割噴射を行っているという。その精度はまさに精密機械。ここにもVWの最新技術が投入されている。

 パワースペックは、最高出力が193ps/3500~4200rpm、最大トルクは400Nm/1750~3250rpm。VWの主力ガソリンユニットとなる1.5L・eTSI(150ps/250Nm)と比較すると出力/トルクとも大幅にパワフルで力強い。中でもトルクの太さは圧倒的。しかも発生回転数が低いから、日常的にその恩恵にあずかれる。

 試乗したパサートには、まさしくこの進化版EA288エボTDIエンジンを搭載。4MOTIONが標準という仕様もセールスポイントだ。

加速はスポーティモデルに匹敵
意のままに走り、しかも静粛。まさに万能選手

 スタイリングは伸びやかで、独自の自己主張を感じた。これまで控えめであることを是としてきたVWは、最近ではちょっとひとクセ加えて個性を引き立てている。パサートはまさにその代表だ。

 インパネは時代をリードする最新ファッション。機能的で操作性に優れた大型ディスプレイが真ん中に配されている。アルカンターラで上質に仕立てられたインテリアの雰囲気もなかなか好印象だ。