── 当初の売れ行きはいかがでしたか?
松本 発売当時、有機JASマークを付けた発芽玄米は世の中にほとんど出回っていなかったので、紀ノ国屋さんや成城石井さんなど高級スーパーで取り扱っていただけました。商品力が認められたのか、この商品一つだけで口座を開いていただけたほどです。
商品力にあぐらをかくことなく、週1回は売り場でデモンストレーションをしていました。おにぎりをお客さまにお配りして味見をしていただく。その結果、根強いリピーターの方が付いてくださいました。
── その後も順調に売れましたか?
松本 はい。高級スーパーの棚も確保していただき続けています。ただ最近は有機米が手に入りにくく、早い年では3月に売り切れてしまうことがありました。
そこで5年ほど前から、特別栽培米の「除一米(じょいちまい)」でも発芽玄米を作り始めました。除一米は除草剤を1回だけ使ったお米ですが、肥料は有機米と同じで、味も遜色ありません。今はこちらの拡販に力を入れています。
── 米以外も扱っているのですか?
松本 もう一つの柱が、「安納もみじ」という種子島産のサツマイモの焼き芋です。
20年ほど前、アイリッツらしい焼き芋を販売したいと思い、理想のサツマイモを求めて、種子島にたどり着きました。安納もみじは非常に蜜が多く、そのまま食べても芋羊羹のようにねっとりしていて甘い。それゆえに傷みやすく、九州以外ではあまり流通していませんでした。そこで、いったん焼いて冷凍保存した後、解凍・真空パックすることで、全国各地で販売できるようになりました。一時期、安納芋ブームが起こりましたが、火付け役の一端を担ったと自負しています。
── 現在まで経営は順調でしたか?
看板商品の「発芽玄米 芽吹き小町」(1kg、2640円)と「安納もみじの焼き芋」(580円)
松本 二つのロングセラー商品があったとはいえ、取引先がなくなったり商品の取り扱いが終了したりと浮き沈みはありました。そんなとき、力になってくださったのが興産信用金庫さんです。創業2、3年目からずっとお付き合いさせていただいています。自治体の制度融資や補助金、コロナ禍での無利子貸し付けなど、資金調達に関する制度を親身になって教えてくださり、本当に頼りになります。
── 今後の抱負をお聞かせください。
松本 とにかく、発芽玄米をもっと広めていきたい。何よりもお米を食べてほしいのです。水田は日本という国の大きな宝。水田があることによって日本の自然が保たれています。お米の消費量がもっと増えれば、水田が守られますし、本当によいものを作っている農家の方々も守ることができると思うのです。弊社も少しでもその力になれればと思います。
(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2026年5月号掲載、協力/興産信用金庫)
事業内容:健康食品卸売業
従業員数:3人
売上高:3486万円(2024年8月期)
所在地:東京都渋谷区上原1‐32‐5‐302
電話:03‐5738‐1280
URL:irits.co.jp







