威圧者は論破ではなく
「承認」の方向で静まる
でも、ある日、ふと気づいたんです。
彼は上司が同席しているときは絶対に怒鳴らないのです。いつも自分の立場が一番のときだけ、パワハラ全開になる。
つまり、やましい気持ちを持ちつつ、上には認められたいという、まあ、サラリーマンとしてはまったく尊敬できない人間と知ったのです。
だから、ちょっとだけ頑張ってみた。
次の打ち合わせのとき、彼がいつものように声を荒らげたとき、ぼくは少しだけ勇気を振り絞ってこう返しました。
「○○課長のおっしゃること、すごくよくわかります。ちなみに、その視点、△△部長も同じなのでしょうか?ぼくのほうは、事前に上司に確認していて、きっと△△部長はこう言うんじゃないかな、と言っておりました」
一瞬、沈黙が流れました。
ぼくは、そのパワハラクライアントとの2人の打ち合わせの場に、パワハラクライアントの上司、ぼくの上司という2人を登場させることで、場の空気を変えようとしたのです。
そのパワハラクライアントの上司、ぼくの上司ともに、ぼくは普通に話せる関係だったので、変なことをしたら、いつでも「こいつ、チクるな」と思ったことでしょう。
それ以来、彼が怒鳴る回数は激減しました。というより、
「この仕事は、俺と三浦、お前2人の仕事だ。というか、お前にしか俺の気持ちはわからない」(きっと、チクリ阻止)
と言い、そこから一気に関係は構築されていくことに。最終的には、「三浦としか話さない」と言うまでに……。それはそれでめんどうくさかったけど。
威圧者は、論破ではなく承認の方向転換で静まります。
相手のプライドを壊すのではなく、出口を用意してあげる。
この感覚をつかめると、人間関係が一気に楽になります。
威圧者を「敵」ではなく
「使える存在」に変える
威圧的な人は、表向きには自信満々ですが、内心は「自分より強い存在」におびえています。
だから、意味もなく吠えるのです。







