先ほどの、ぼくが彼の上司の名前をあえて軽く口に出したのが効果的だったのも、自分でうなずけます。
「この件、部長の○○さんにも確認しておきますね」
「社長もこの方向性を喜ぶと思います」
これだけで、威圧者は一気にトーンダウンします。
彼らが最も恐れるのは、自分を評価する人だからです。
そして、もうひとつ。
威圧者を敵ではなく、コントロール可能なピースとして見る。
仕事のうえでは、むしろ使える存在に変わることさえあります。
先ほどのパワハラクライアントは結果、最終的には「いちばんやりやすい相手」になっていました。なぜかというと、彼らは対等に扱われることに慣れていないので、少し冷静に、論理的に話を進めてあげるだけで、「この人に任せれば安心」と思ってくれるようになるからです。
結果、社内でも、「あの案件は三浦に任せとけ」と言われるようになった。
ここで断言しておきます。
威圧的な人ほど、攻略できたときのリターンはメチャクチャ大きいです。
威圧者との仕事は
成長のチャンス!?
威圧者を怖がって避けている人は多い。でも、じつは、彼らとの仕事こそ、成長のチャンスです。
組織心理学の研究でも、心理的安全性が低い環境ほど、上位者は支配的になりやすいという結果が出ています(ハーバード・ビジネス・スクールの経営思想家エイミー・エドモンドソンの研究)。
つまり、威圧的な人は悪意ではなく、不安の産物。
その構造を理解して接すれば、こちらの心が乱されることはなくなるんです。
『「浅い人間関係」がうまくいく 「20点」でつきあうコミュニケーション術』(三浦孝偉 清談社Publico)
言い方はキツいけど、内容は的を射ていることも多い。
本質を突いてくる分だけ、力をつけるには最高の教材になる。威圧的な人を恐れずに観察する。
それができるようになると、関係の景色が一変します。
威圧的な人を見抜く力とは、人の言葉ではなく、心の温度を読む力でもあります。
強がりの奥にある恐れを感じ取れる人ほど、どんな相手にも自然体で向き合えるようになります。
それが、「浅い人間関係」の本当の成熟です。







