投資に絶対的な必勝法はなく、プロでも1つの銘柄の勝率は約6割程度です。重要なのは1回の勝敗に一喜一憂せず、確率論に基づき運用すること。1つの銘柄に全資金を集中させず、有望な投資アイデアを複数創出して分散投資を行うことで、失敗の影響を抑え資産全体としての成功率を安定させましょう。日々の情報収集が質の高いアイデアを生む鍵です。

「そりゃ危ないわ…」プロでも4割外す株式投資でやってはいけないことPhoto: Adobe Stock

投資における「勝率」の真実

株式投資において、漠然と「儲かる必勝法」のようなものを探し求めている方は少なくないかもしれません。しかし、現実の株式市場は、機関投資家から個人投資家まで、さまざまな背景や強み(エッジ)を持った参加者が集まる、いわば「異種格闘技戦」のようなところです。

もちろん難しさはありますが、だからこそ投資は奥が深く面白いもの。そして、自分ならではの「強み」をうまく活かすことで、確実に成果を上げていくことができます。今回は、投資における「勝率」の真実と、リスクを抑えてトータルで資産を増やすための戦略をお伝えします。

投資に「必勝」はない? プロでも勝率は6割という現実

まず大前提として理解しておきたいのは、投資の世界に「絶対に儲かる」という手法は存在しないということです。「自分の強みを活かせば成果は上がる」というのは、「勝率が100%になる」という意味ではなく、「1つの投資アイデアで儲かる可能性が高まる」程度のものだと捉えてください。

驚かれるかもしれませんが、IR(投資家向け広報)などの公開情報だけを頼りに戦う限り、どんなに優秀なプロのファンドマネージャーであっても、1つの投資アイデア当たりの勝率は「平均して6割程度」だと言われています。裏を返せば、知識も経験も豊富なプロであっても、約4割以上の確率で予想を外し、うまくいかないのが投資のリアルなのです。

ポーカーの確率論に学ぶ「分散投資」の力

「プロでも4割失敗するなら、投資はギャンブルなのでは?」と不安に思うかもしれません。しかし、ここで重要になるのが「確率論」の考え方です。

投資は、手札の確率を冷静に計算して勝負に出るポーカーゲームに非常に似ています。1回1回の勝負では負けることがあっても、トータルで勝つことを目指すのです。したがって、やってはいけないことは、「これは絶対に上がる!」と思い込み、1つの投資アイデア(1つの銘柄)に全資金を集中させてしまうことです。

そうではなく、多数の有望な投資アイデアを創出し、それらに資金を分けて「分散投資」を行うことが重要になります。一つひとつの勝率が6割であったとしても、複数のアイデアに分散させることで、失敗による大きな損失を防ぎ、ポートフォリオ(保有資産)全体としての成功率を安定して引き上げることができるのです。

情報収集を習慣化し、アイデアを次々と生み出そう

分散投資によってポートフォリオ全体の勝率を向上させるためには、当然ながら「多数の投資アイデア」が必要になります。そのためには、日々の継続的な情報収集が欠かせません。

世の中のニュース、街のトレンド、新製品の売れ行きなど、あらゆる情報にアンテナを張り続けることで、投資のヒントは次々と湧いてくるようになります。まずは自分が得意な分野や興味のある分野(=自分のエッジ)の情報収集から始めてみるのがよいでしょう。

1つの「絶対」に固執するのではなく、常に新しいアイデアを生み出し、適切に分散していく。この冷静な確率論に基づくアプローチが、個人投資家が厳しい市場を生き抜き、長期的に資産を築いていくための基本となります。

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。