老後のためにコツコツとお金を貯めたり投資を始めたりしている人は多い。だがそれだけでは、将来取り返しのつかない後悔につながるかもしれない。医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書き、世界20か国以上で続々刊行されている『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』からヒントを紹介しよう。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

「老後に後悔する人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

お金だけあってもしょうがない

「人生100年時代」と言われる昨今、老後の資金不足や孤独を心配して備えを始める人は多い。

 しかし、お金や人間関係の準備よりも先に、私たちが確実に直面する残酷な現実がある。それは「身体の衰え」だ。

 どんなに十分な貯金があっても、自分の足で歩けず、病気がちでベッドから起き上がれなければ、豊かな老後を謳歌することはできない

やったらやっただけリターンがある

 では、「老後後悔しない」ために、今日からすぐやるべきことはいったい何だろうか。

 医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオンが書いた『筋肉が全て』を読むと、その答えが運動であり、それも「筋力」を鍛えることだとわかる。

 著者は、多くの人が「年だから仕方ない」と考えている不調や衰えの背景に、「筋肉の減少」があると繰り返し指摘している。以下は『筋肉が全て』からの抜粋である。

 老化とは、筋肉や身体の組成に対する避けがたい生理学的変化のことだ。多くの人の想像と違い、それは30代からすでに始まっている。
 若いころに筋肉を強化しておくと、生物学的な予備能力を蓄えることができ、その効果は一生残る
 つまり、高齢者が筋力と筋肉量を維持する能力は、減少のスピードだけでなく、減少が始まった時点の筋肉量によっても決まるということだ。
 若いころに身体を鍛えたかどうかが、身体のシステムを制御し、最終的なエネルギー、気力、持続力を決定する。
 だが、始めるのに遅すぎることはない。
 はっきりした変化はすぐには表れないかもしれないが、筋力トレーニングを始めれば必ず改善が見られることを約束する。いま正しい一歩を踏み出せば、自分の未来を書き換えることができるのだ。――『筋肉が全て』より

「体を動かさない」生活を続けている人は、老後の大きな後悔につながるだろう。

 老後の生活の質は、年齢を重ねてから決まるものではない。「今日、あなたが筋肉を動かしたかどうか」の積み重ねによって決まる。著者によれば、筋肉は何歳になっても自分の意志で鍛え、強化できる唯一の臓器だという。「もう若くないから」と運動を避けることは、未来の自由な生活を自ら手放すことに等しい。

 将来、「もっと早くから鍛えておけばよかった」と後悔しないために、今日から始めよう。別にジムに行く必要もない。YouTubeやテレビを見ながらスクワットをすればいい。

 筋肉への投資こそが、人生を最後まで自分らしく生き抜くための、最も確実で裏切らない備えなのだ。

(本記事は、ガブリエル・ライオン著『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』に関連した書き下ろし記事です)

ガブリエル・ライオン(Dr. Gabrielle Lyon)
医師(DO)
イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。