一見賢そうなことを言っているのに、周囲からはなんとなく「頭が悪いな」と思われてしまう人がいる。その違いを分けるのは、能力ではなく日頃の考え方かもしれない。医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書き、世界20か国以上で続々刊行されている『筋肉が全て――健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』からヒントを紹介しよう。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
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「どうするか」を考えるのが知性
仕事にせよプライベートにせよ、何かをやってみようと議論している場面で、口癖のように「できない」という人がいる。「自分たちにはできない」「やってもしょうがない」と、評論家のようなことを言って水を差す。
一見すると冷静で賢そうに見える。だができない理由ばかりを探していると、周囲には「問題を解決しようとしているのではなく、挑戦を避けているだけではないか」と映る。
ビジネスの現場で評価されるのは、できない理由を並べる人ではなく、どうすれば実現できるかを考える人だ。そうした意味で、できない理由ばかりを繰り返す姿勢は、「頭が悪い」と見られてしまう。
成長をはばむ「思考パターン」
医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン著『筋肉が全て』では、心理学でいう「硬直マインドセット」という概念を紹介している。
自分の能力は生まれつき決まっていると考え、失敗を恐れて挑戦を避ける思考法である。著者は次のように述べている。
「私はアスリートじゃない」「健康食品は苦手だ」「ジム通いには抵抗がある」「計画を続けられたためしがない」など。そんな考え方にはまっていると、自分を変えられる機会が見えなくなってしまう。――『筋肉が全て』より
こうした考え方が周囲の評価を下げるのは、能力が低いからではない。自分で限界を決めつけ、可能性を試そうとしない姿勢が見えてしまうからだ。「自分には向いていない」「時間がない」と口にするたびに、人は成長の機会を手放している。
一方で、「成長マインドセット」という思考パターンを持つ人は、「人は才能に関係なく、努力しだいで新しいスキルを学び、新しい生き方を身につけられる」と考える。そのため、失敗を恐れず新しい挑戦にも前向きになれる。
「簡単ではないこと」を楽しむ
なぜ一部の人は、自分で自分の可能性にフタをしてしまうのだろうか。著者は、その背景にある人間の不思議な心理を指摘する。
成長マインドセットと克己心があれば、結果が出るまでの時間を楽しめるようになる。簡単だから楽しめるのではなく、むしろ簡単ではないからこそ楽しめるようになる。挑戦することで心と身体が磨かれて、生活に張りが生まれる。――同書より
著者が警鐘を鳴らすのは、「自分には向いていない」「時間がない」「どうせ無理だ」といった言葉だ。
こうした「できない理由」を並べる人は、自ら成長の機会を手放している。しかも周囲には、能力の限界を見極めている人ではなく、挑戦する前から諦めている人として映る。
つまり、「頭が悪い」と思われるのは、能力の問題ではない。挑戦する前から「できない理由」を探し、自分で限界を決めつけてしまうからなのである。
医師(DO)
イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。







