「圧倒的に美味しい」ポークリブと
サラダの衝撃
海外に進出する日本の外食チェーンにおいて、もっとも品質を維持するのが難しいとされるのが生鮮野菜である。
日本のサイゼリヤは、サラダのために芯が小さく歩留まりの良い専用品種「サイゼリヤ18号」というレタスを独自開発し、国内の契約農場から完璧な温度管理のもとで店舗へ届けている。この「日本の当たり前」は、海外では決して当たり前ではない。
ところが、シンガポールのサイゼリヤのサラダは、日本で食べるものと遜色がない。レタスはシャキシャキと音を立て、みずみずしい甘みが口の中に広がる。
さらに注文した日本にはないメニュー「BBQポークリブ(BBQ酱烤猪肋排)」が最高に美味しかった。フォークを入れるだけで骨からホロホロと崩れるほど肉が柔らかく、甘辛いBBQソースがしっかりと肉に染み込んでいる。
シンガポールのサイゼリヤの一品「BBQポークリブ」 Photo by K.O.
多民族が好むBBQ風味にローカライズされたソースのバランスは絶妙であり、一口食べて「圧倒的に美味しい」と確信させるだけの圧倒的な説得力があった。
完璧な鮮度の野菜や
高品質な肉料理を提供できるのか
赤道直下の熱帯の国で、なぜこれほどまでに完璧な鮮度の野菜や、ハイクオリティーな肉料理が提供できるのか。その謎を解く鍵は、先述したSPAモデルの構造と、シンガポールという国家の「流通インフラ」に隠されている。
サイゼリヤの店舗では包丁を使わず、直火調理にも頼らず、セントラルキッチンで洗浄・カット・包装された野菜や、下味と加熱が済んだ個包装の肉が店舗に届き、スタッフはそれをオーブンなどで再加熱して盛り付けるだけだ。
つまり、料理の品質を決めるのは店舗スタッフの腕ではなく、「原材料の調達」と「物流(コールドチェーン)の精度」に完全に依存している。
「完全輸入依存」という
逆説的な強み
では、なぜシンガポールでは日本並みの、いやメニューによっては日本以上の品質が保てるのか。







