サイゼリヤ代表取締役社長 堀埜一成氏
Photo by Koyo Yamamoto

店のコンセプトから料理の1皿に至るまで、外食産業の経営者は消費者の心をつかむスペシャリストだ。個性派ぞろいの「外食王」たちは何を考えているのか。連載「外食王の野望」で取り上げる外食トップのインタビューを通じ、そのノウハウをおいしくいただこう。今回はサイゼリヤの堀埜一成代表取締役社長を直撃。「対コンビニ」を強く意識する理由を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「週刊ダイヤモンド」2020年1月11日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの

キャッシュレスは
後出しじゃんけんで勝つ

――キャッシュレス化が遅れています。

 ITの世界は、少したてば状況がどんどん変わる。後出しじゃんけんの方がいいんです。じっとしているとなんでも値段が下がる。早めにキャッシュレスを導入した会社は、機器一体型のレジを入れていましたが、あれが一番高く付いたはず。

 今は外付けもあるし、きっと東京オリンピックまでに全てのキャッシュレス決済に対応できる機器が出てくると思うので、そのリリースを待てばいい。やるときは総入れ替えしますよ。

 今回のキャッシュレス決済のポイント還元はふざけるなと言いたい。コンビニのような大企業の支援に税金が使われるのはあり得ない。

――コストにシビアですね。コストを抑える店舗の工夫は。

 油の酸化臭を嫌っていて、揚げ物はゼロです。フライヤーを持つなら掃除も真剣にやらないといけませんが、やる労力がないので絶対やりません。

――海外が好調です。

 今はめちゃくちゃ調子が良いです。圧倒的に安いから。洋食であの値段で売っているところはないし、カジュアルなラーメンでも、うちより高いですから。

――海外事業成功の秘訣は。

 うまくいくまでやる、それだけです。みんなうまくいく前に撤退していく。うちが黒字になったのは店舗を20弱出した頃ですよ。