「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。本記事では、その中から親が教えておくべきおやくそくを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
Photo: Adobe Stock
ルールを守れない子が高学年になると……
「子どもたちって、思っているよりもずっと大人なんですよ」
こんな話を、30年間小学校で働くベテランの先生から聞いた。
「低学年の頃は、“口が達者な子”って、けっこう得をするんです」
その先生はある女の子の話を教えてくれた。その女の子は、とにかく言い返すのが上手だったそうだ。
鬼ごっこでタッチされたときも、「今のはちゃんと触れてないからセーフ!」
係決めで自分が不利になると、「でもこの間は◯◯ちゃんがやりたい係をやったよね?」
何かあるたびに、理屈を並べて、自分が不利にならない方向へ持っていく。
周囲の子も低学年のうちは、「まあいっか」「◯◯ちゃん強いし……」という感じで流していたらしい。
でも、高学年になると、子どもたちは本質を見始める。
ある日、クラスで「ランドセルにつけるキーホルダーは1個まで」という持ちものルールを、みんなで決めたことがあったそうだ。ランドセルに大量につけてくる子が増えて、授業中に音が鳴ったり、見せ合いになったりしていたからだ。
ところが、その女の子は次の日、キャラクターのキーホルダーを3つつけてきた。
そこで、ある子が、「キーホルダー1個までじゃなかった?」と聞いたそうだ。
すると、その子はすぐに、
「これはお守りだからキーホルダーじゃないし。しかもこれ、小さいから1個みたいなものでしょ? ていうか、昨日◯◯ちゃんも2個つけてたよね?」
と、次々に言い返した。
周りの子たちは、その場では黙った。でも先生は、その空気を覚えているという。
“うまく言い逃げした”ように見えても、高学年の子どもたちは、
「この子、自分だけ得しようとしてるな」ということを、ちゃんと見ているのだ。
その頃から、その女の子は休み時間に一人でいることが増えていったそうだ。
どこにいっても好かれる人は、単に“要領がいい人”ではない。
自分が損をしそうな場面でも、ちゃんと決まりを守れる人だ。
なぜなら、ルールとは、“自分を勝たせるため”ではなく、“みんなが安心して、楽しく過ごすため”にあるからである。
ルールを守れるようになろう
「ルールをきちんと守る」というのは、大人になってからも、どんな場所に行っても必要な力である。
だからこそ、小学校に入る前にこのスキルを身につけておきたい。
小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「ルールを守って遊ぼう」という項目がある。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
・じゅんばんを まもろう。
「こんどは ぼくの ばんだね」
・みんなの いけんを だいじに しよう。
「そうだね、 おにが ふたりでも いいね」
・あぶないことは しないよ。
「あしを ひっかけちゃって ごめんね」
・しあいに かっても まけても けっかを みとめよう。
「まけちゃったけど たのしかったよ」「また いっしょに あそぼう!」
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)
低学年のうちは、ルールをうまくごまかした子が得をしているように見えることもある。
だが、学年が上がるほど、「ルールを守れる人」が自然と好かれるようになる。
順番を守る。ズルをしない。約束を守る。
そんな当たり前をきちんとできる人ほど、周囲から安心され、好かれていく。
どこにいっても好かれる人は、小さい頃から「自分に都合が悪くても、守るべきことは守る」ことを教わっているのである。









