どうすればお金をかけずに、売上や利益をもっと増やせるのか? この切実なお悩みに答えるのが、人気の販促コンサルタント・岡本達彦氏の最新刊『客単価アップ大事典 「つい買ってしまう」販促の仕掛け75』(ダイヤモンド社刊)です。同書は、「行動経済学×現場目線」で「つい買いたくなる」販促の仕掛けとは何かを言語化した初の書。本書が提示するのは、「お客様の購買行動そのものを変える設計とは?」です。どうすれば、「利益が残る経営」へと変われるのか? 本連載では、『客単価アップ大事典』に収録しきれなかった事例の中から、現場ですぐに導入でき、成果につながりやすい客単価アップの仕掛けを厳選してご紹介していきます。
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「出口が見えない」ことが、購買意欲を加速させる理由
世界的な北欧家具チェーンなどを歩いているとき、ショートカットが少なく、出口まで決められた順路を歩かされる「迷路」のような動線に戸惑ったことはありませんか?
「椅子が見たいだけなのに、なぜ寝室まで通らされるのか」と感じるかもしれません。実はこの動線設計は、お客様の効率的な判断をあえて鈍らせ、お店が提案する理想のライフスタイルにどっぷりと浸らせるための、極めて計算された販促戦略なのです。
日常を忘れさせる「不可逆性」の魔法
人は、自由に行き来できる空間では「必要なものだけを探す」という効率的な行動をとります。
しかし、一方通行で進む「不可逆的動線」に置かれると、「ここまで歩いてきた」という埋没費用の心理が働き、目の前の商品をより丁寧に見るようになると考えられます。これは「プライミング効果」の応用です。
次々に現れるコーディネートされた部屋を強制的に見せられることで、脳内のモードが「買い物」から「体験・観光」へと切り替わります。
この没入感が、普段なら「高い」と感じる家具セットに対しても、「これがある生活なら手に入れたい」という感情的な肯定を生むのです。
ひとつ買うと全部欲しくなる
この動線の終盤で、お客様は「あ、このクッション可愛い」と、小さな商品をひとつカゴに入れます。すると、「ディドロ効果」が働きやすくなります。人は、新しく手に入れた魅力的な一品に合わせて、周囲の環境も統一したくなる性質を持っています。
ひとつお気に入りを見つけたお客様は、「このクッションに合うソファは?」「このソファに合う照明は?」と、順路に従って関連商品を連鎖的に手に取ってしまうのです。
他のお店でも使える「動線」の設計
・ アパレル店
新作を入り口から奥へ続く一本道に配置し、最後にレジ前の小物コーナー(靴下やベルト)を通るように設計する
・ 飲食店
セルフ形式の店で、トレーを持って進む間に必ず「揚げ物」や「小鉢」の横を通る一本道のカウンターを設置する
・ 展示会
ブースの入り口と出口を分け、一方向の順路を作ることで、すべての展示パネルを順番に見てもらう
まとめ
家具店の迷路のような動線は、
・ 「プライミング効果」により日常の節約モードを解除し、非日常へ誘導する
・ 「ディドロ効果」を誘発し、関連商品の連鎖的な購入を促す
・ 戻る手間(コスト)を意識させることで、目の前の商品との接触回数を最大化する
という、お客様の「見る」時間を「選ぶ」楽しさに変え、客単価を押し上げるための空間デザインなのです。
販促コンサルタント
現場目線ですぐ使えるマーケティングを伝える第一人者。
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、むずかしいマーケティングや心理学を使わず、
アンケートやマンダラ等を活用して、誰でも売れる広告を作れる手法を体系化する。
業界を問わず即効性が高く、お金をかけずに売上を上げられることから、全国の商工会議所・経済団体などからセミナー依頼が殺到する。
初の著書『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』(ダイヤモンド社)は、Amazon上陸15年、「売れたビジネス書」50冊にランクインする。
他の著書に、『お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問』
『あらゆる販促を成功させる「A4」1枚アンケート実践バイブル』
『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法』『「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(以上、ダイヤモンド社)等がある。




