預金金利が上がらない理由は、銀行の利益は利ザヤ(貸出金利-預金金利)だからです。低金利が長く続いたのちに利上げが行われると、銀行の保有している債券や貸し出している資金の評価損が膨らむのは致し方ないとしても、預金金利を上げてしまうと、逆ザヤ(利ザヤがマイナス)となってしまい、銀行の収益がさらに圧迫されてしまうからです。
日本も、利上げと同じペースでは、預金金利は上がらないと思われる一方、物価は需給やコストに敏感に反応し、すでに上昇しています。今後もインフレが続くと見込まれる中、投資や資産運用を預金だけに頼っている場合ではありません。
長期にわたるデフレで
預金神話が広まってしまった
日本は、デフレ局面が長かったので、現金としてのお金とは、持っていれば安心なもので、その理由は、価値が下がらないからと思っている人が多いかもしれません。しかし、お金を現金のままで持っていると、その価値が下がってしまうのが、インフレ局面なのです。
今なら現金10万円で、自転車を2台買うことができるとして、デフレ局面とインフレ局面で、1年後の現金の価値を考えてみましょう。
現金10万円は、そのまま持てば、いつでも10万円のままです。自転車はどうでしょうか。デフレ局面では、モノの価格が下がり、1年後に10万円で同じ自転車が3台買えるようになりました。10万円の価値が、自転車2台分から3台分に膨れ上がったのです。一方、インフレ局面では、モノの価格が上がり、1年後には10万円で1台しか買えなくなります。
つまり、物価が下がって「お金の価値が上がるのが、デフレ局面」で、物価が上がって「お金の価値が下がるのが、インフレ局面」です。
特に、悪いインフレのときは、賃金(給与)の手取り額が減っているわけではないのに、生活が苦しく感じるはずです。なぜなら、物価の上昇に対して、手取り額というお金の価値が下がっているため、今までと同じようにモノを買うことが難しくなるからです。







