長期で見れば、世界経済の成長が株式市場を押し上げてきたことは、データ上でも確認できるわけです。
たとえば、この9.72%という過去の平均リターンが今後も続くと仮定すれば、25歳から60歳までの35年間、毎月2万8000円を積み立てることで、投資元本約1180万円が、最終的に約1億円に到達する計算になります。
投資とは「将来の成長を期待して
不確実性を引き受ける行為」
しかし、ここで注意すべき点があります。この試算はあくまで「過去の平均値を、そのまま未来に当てはめた」ものであり、現実の投資とは大きく異なります。
実際には、リターンは年ごとに大きくばらつき、平均通りに積み上がることはありません。仮に目標を「1億円」と明確に定めた場合でも、前提とするリターンによって、必要な積立額は大きく変わります。
たとえば、年率7%を想定すれば毎月約5万5000円、5%を前提にすれば約8万8000円が必要になります。つまり、同じ目標額でも、前提次第で負担は大きく変わってしまうのです。
このように、投資とは、将来の成長を期待して「不確実性を引き受ける行為」であり、あらかじめ特定の金額に到達することを約束してくれるものではありません。
にもかかわらず、目標額だけを固定してしまうと、リターンのブレに一喜一憂しやすくなり、投資行動そのものが不安定になります。
もちろん目標額を設定すること自体は悪いことではありませんが、それよりも重要なのは、長期・分散で市場に居続けること、そして無理なく続けられる積立額を設定することです。
結果としてどこまで増えるかは、市場が決めます。その不確実性を受け入れたうえで時間を味方につけることこそが、投資運用の本質だといえるでしょう。
過去のデータでは、20年程度の保有期間を取るとマイナスになりにくい傾向があります。長期投資の期間について問われたときに20年は投資しましょうと答えることが多いのも、そういった背景があります。







