物価高が止まらない。金利も上がっている。これからの投資戦略をどうすればいいのか?
今、『お金の大学』両学長に絶賛されている投資・マネー本がある。ベストセラー『JUST KEEP BUYING』の著者ニック・マジューリが書いた全米ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段 ―― 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』である。今回は「キャリア決定がうまくいく人の共通点」について、本書の一部を抜粋して特別公開する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

「キャリア決定がうまくいく人」に共通する絶妙な着眼点・ベスト1Photo: Adobe Stock

「機会費用」とは何か?

 本書では、「松下幸之助とお金の物語」を紹介した。
 これと同じ考え方は、富の階段を登る際のキャリア決定にも当てはまる。

 富の階段の低い位置にいるときは、仕事を掛け持ちしたり、残業をしたりすることには意味がある。
 しかし、階段を登るにつれ、状況は変わっていく。

 経済学ではこれを「機会費用」と呼ぶ。

 簡単に言うと、機会費用とは「何かを選択することであきらめなければならなくなる、他の選択肢」のことだ。

 たとえば、私がブログ記事を1件書くのに5時間かかったら、その5時間で他にできたことは何であれ機会費用になる。

 家事をするのに5時間かかったら、その家事の機会費用はブログ記事1件分になる。

「キャリア決定」がうまくいく人の
絶妙な着眼点

 キャリアの決定も、機会費用(つまり何を放棄するか)の視点を持つことで、ある選択が理にかなっているか否かを判断しやすくなる。

 新しい職に就くべきか、それとも今の職場にとどまるべきか?
 新しい投資は、時間をかける価値があるか?
 噂でよく聞く副業はどうか?

 新しい仕事や副業を始めるために何をあきらめるべきかがわかれば、それにどれだけ価値があるかを判断できる。

 だが残念ながら、この判断は見かけ以上に難しい。

 スクライブ・メディア(Scribe Media)のライター兼CEO、エリック・ジョーゲンソンのブログ記事が、そのことをよく表している。

 昨年を振り返ると、私の最大の過ちは、新しい状況に合わせて物事の判断基準を変えなかったことだ。私は、ある状況で目標を達成するための習慣を形成してきた。しかし目標が達成され、状況が変わったのに、その習慣を変えなかった。

 ジョーゲンソンは、キャリアアップして状況が変わったにもかかわらず、機会費用を見直していなかった。新しいルールを採用せず、古いルールに縛られていた。

 私の場合で言えば、ブログ記事を書けばもっと稼げるのに、空き缶集めに時間を費やしているようなものだ。

 ありがたいことに、この問題には解決策がある。

 機会費用を定期的に再評価することだ。

 ラッパーのファット・ジョーが歌う、「昨日の価格は、今日の価格じゃない」という言葉を思い出そう。

 昨日までのお金の稼ぎ方が、今日はもう意味をなさなくなっているかもしれない。