「働きやすい職場」を目指すことより、必要なことがある。
優秀なマネージャーは、「少しだけ演技」する。あえて「演じること」を選べば、「部下に信頼される」「会社に評価される」「自分も疲れない」職場になる。そんなリーダーの実践的なふるまい方をまとめたのが、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』(本田淳也著)である。本稿では、同書の内容を一部抜粋して紹介する。

優秀なリーダーがまず「働きやすい職場」を目指さない理由・ベスト1Photo: Adobe Stock

働きやすい職場を目指す前に

「働きやすい職場を作ろう」――多くの企業がそう掲げています。

オフィスをおしゃれにする、福利厚生を充実させる、フリーアドレスを導入する。
確かに、それらも大切です。

でも、その前にやるべきことがあります。
働きにくさを消すことです。

プラスより、マイナスを消す

どんなに立派な制度を作っても、働きにくさが残っていれば、職場の空気は変わりません。

たとえば、
パワハラ気味の上司がいる。
人間関係がギクシャクしている。
情報共有がなく、いつも後から知らされる。

こうした「働きにくさ」がある職場では、どれだけオフィスをきれいにしても、部下のストレスは減りません。

人は、プラスを得るよりも、マイナスを避けることに敏感です。
働きやすさを足すより、働きにくさを引く方が、効果は大きいのです。

働きにくさの正体

では、働きにくさとは何か。
よく聞くのはこんな声です。

「上司の機嫌に左右される」「言ったことが伝わっていない」「理不尽なことが多い」

これらは、制度の問題ではありません。
日常のコミュニケーションや、リーダーのふるまいの問題です。

マイナスを消すだけで、職場は変わる

たとえば、こんな小さな変化があります。

上司の機嫌に左右されない
――リーダーが感情を表に出さないよう意識するだけで、部下は安心して働けます。

情報を共有する
――部下は情報に敏感です。説明がないと想像がマイナスに働くこともあります。その前に共有するだけで、部下の不安は消えます。

どれも、今日からできることです。
でも、これらの「働きにくさ」が消えるだけで、職場の空気は大きく変わります。

引き算の発想を持つ

働きやすい職場を目指すのは大切です。でも、その前に働きにくさを消すこと。
プラスを足す前に、マイナスを引く。
その発想を持つだけで、リーダーとしての行動は変わっていきます。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)