明日や将来の心配、細かな問題まで一人で抱え込んでいませんか? 実は、不安になりやすい人には「考える領域が広すぎる」という特徴があります。頭の中の管理エリアを意図的にキュッと狭め、心を穏やかに保つ【3つの処方箋】を解説。先々の不安に振り回されるのを防ぎ、今日という1日を安心して過ごすためのヒントをお届けします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】不安になりやすい人への処方箋・ベスト3Photo: Adobe Stock

不安になりやすい人への3つの処方箋

今日は「不安になりやすい人への3つの処方箋」というテーマでお話しします。

不安になりやすい人には、「自分の考えるテリトリー(領域)が広すぎる」という共通の特徴があります。「あれはどうなるのだろう」「どうしたらいいかしら」と、頭の中に気になることがたくさんありすぎて、処理が追いつかずに不安になってしまうのです。

未来についても「こんなことが起きるかもしれない」と考えすぎ、常に気持ちの上で準備をして疲弊してしまいます。

不安になりやすい人はどんな人?

例えるなら、大きなお屋敷を一人で管理しているような状態です。あちこちの汚れや破損をずっとチェックしなければならず、しんどくなってしまいますよね。

しかし、自分の部屋をワンルームのような小さなサイズに限定してしまえば、管理はそこだけで済みます。自分の部屋の外で起きている問題は「テリトリー外」になるため、心配する必要がなくなります。

このように、自分の考えるエリアやテリトリーを「気持ちの上で狭めてあげる」ことが非常に大切です。そのための3つの処方箋をご紹介します。

1. 人に任せる

不安になりやすい人は、人に物事を任せるのが苦手な傾向があります。だからこそ不安を抱え込みやすいのですが、意図的に「人に任せる」ことで不安を減らすことが重要です。

私自身も、以前は事務的な手続きをすべて自分でやっていました。しかし、請求書の発送や交通費の確認など、複数の物事が同時に進行する中で新しい仕事が入ると、いっぱいいっぱいになってしまっていました。「あの件の返事は来るかな」と気になって不安になることも多かったため、思い切って信頼できる方に事務担当をお願いすることにしました。

結果として、自分が本当に集中すべき原稿の執筆や講演会の準備などに専念できるようになり、不安が大きく減りました。日常生活でも、「家事のこの部分は家族に任せる」「この件は相手から言われるまで待つ」など、お互いの納得の上で役割分担をし、自分のテリトリーを明確にすることが大切です。そして、任せたらあとはもう気にしないようにしましょう。

2. 今日考えることだけを決めて、それだけを考える

これは「時間的なテリトリー」を狭めるということです。不安になりやすい人は、明日のこと、1ヶ月後のこと、1年後のことまで考えて不安を抱え込んでしまいます。そうではなく、「今日考えること」だけを決めて、それが終わったらもう何も考えずに楽しむ時間を作るようにしましょう。

そのためには、やらなければならない仕事を細かく分解し、スケジューリングすることが有効です。頭に浮かんだタスクをすべて細かく分け、今日やるべきことだけをスケジュール帳に書き込みます。

今日やるべき数個のタスクを順番に処理し終わったら、「今日はもう何も考えなくていい」という状態を作ってあげるのです。明日のことは、また明日スケジュールを見れば良いのです。

3. 問題が起きてから対処する

不安になりにくい人であれば事前準備は必要ですが、不安になりやすい人は、すでに気持ちの上で準備をしすぎている状態です。大抵の不安は現実にはならないため、そこまで心配しなくても大丈夫なのです。

問題が起きてから対処する」という姿勢を徹底してみてください。物事が起きていない時は、今日作ったスケジュールのタスクだけをこなし、それが終わったらもう何も考えません。もし連絡が入ったり、何か問題が起こったことに気づいたりした時に、初めて対処すれば十分回っていきます。

まとめ:これで安心できるようになる!

改めて、3つの処方箋をまとめます。

➊人に任せる
❷今日考えることだけを決めて、そのことだけを考える
➌問題が起きてから対処する

私自身もこのやり方を実践することで、物事がうまく回るようになり、安心できるようになりました。ぜひ試してみてください。