脳には、作業中の「タスクポジティブ」と、ぼんやり時の「デフォルトモード」の2つのネットワークがあります。後者はエネルギー消費が激しくネガティブになりがちですが、アイデア創出に不可欠です。大切なのは使い分けであり、デフォルトモードで過去の反省や不安が始まり心がざわざわしてきたら、散歩や家事などのタスクを意図的に与えてモードを切り替えることが快適に過ごす鍵です。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】嫌な記憶があふれ出すループから抜け出す! 不安を一瞬で消し去るスゴいコツPhoto: Adobe Stock

脳の2つのモードを切り替えて、
より快適に過ごす方法

今回は、脳の「2つのモード」を切り替えることで、より過ごしやすくなるというお話をしたいと思います。

今日ご紹介する2つのモードとは、「タスクポジティブネットワーク」と「デフォルトモードネットワーク」です。2000年代以降、この「デフォルトモードネットワーク」という言葉がよく聞かれるようになりましたが、人間の脳は使っている場所によって、大きくこの2つの状態に分けられることがわかってきました。

私たちは日常の中で、この2つのモードを切り替えながら様々な活動を行っています。

ぼんやりしている状態「デフォルトモードネットワーク」

まず「デフォルトモードネットワーク」とは、人間が何もしていない状態のことです。何かの課題に向けて動いているわけでもなく、特定の作業や考え事をしているわけでもない、ぼんやりとした状態を指します。

例えば、ソファでぼーっとしながら何となく考え事をしたり、1人で反省会をしたりしている時が、このデフォルトモードネットワークにあたります。

活動している状態「タスクポジティブネットワーク」

一方で、これと対照的なのが「タスクポジティブネットワーク」です。

こちらは逆に、「今から勉強するぞ」「家事をするぞ」「買い物に行くぞ」といったように、何かの活動に意識が向いている状態を指します。仕事や勉強など、特定の課題(タスク)に取り組んでいる時が、このタスクポジティブモードです。

ぼんやりしている時のほうが「脳は疲れやすい」?

私の普段の発信をご覧になっている方はお気づきかもしれませんが、このデフォルトモードネットワークでぼんやりと考え事をしている状態は、私がいつも提唱している「頭がお暇な時」と全く同じです。

目的なくぼんやりと考えていると、だんだんとネガティブな方向に思考が向かいやすくなります。さらに面白いことに、何かの活動をしている時よりも、この何もせずにぼんやりと考えている時のほうが、脳全体のエネルギーの60~80%を消費していることが判明しています。つまり、ぼんやりと考え事をしている時のほうが、脳は疲れやすいのです。

皆さんも実体験として「嫌なことがあってモヤモヤと考えてしまうくらいなら、仕事などの作業をしていたほうがマシだ」と感じることはありませんか? それは、何か別の作業をすることで、嫌なことを考えてしまうのを防いでいる状態です。つまり、無意識のうちにモードを切り替えていたというわけです。