一方で、事業規模を相応に有する企業の倒産となると、売り上げ拡大に社内管理体制が追い付いていない、利益が確保できていない、ガバナンス不足に端を発した信用失墜など、中小・小規模企業の倒産とはやや異なる事情もみえてくる。

倒産した中堅業者、拡大路線の裏で起こっていたこととは

 昨年11月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した総合建設業の「中央建設」(東京都、負債53億8100万円)。その歴史は古く、1938年(昭和13年)に愛媛県今治市で創業、法人化したのは65年(昭和40年)のことだ。主に県内の公共工事や建築工事を手がける中堅クラスの建設業者として地盤を築いてきたが、2008年の代表交代を転機として、2011年に東京へ進出。その後も東北などへ営業エリアを拡大し、本社を東京へ移転した。

 拡大したのは商圏だけではなかった。首都圏で大型商業ビルやマンション、ホテルなどの民間の大型案件も多数手がけるようになり、売り上げは順調に拡大。2018年に約47億円だった年商は2020年には70億円に、その後2024年には過去最高となる72億円を計上していた。

 売り上げの拡大過程でしばしば指摘されることの一つが「社内管理体制が追い付いているのか」という点だ。同社の場合、事業拡大に伴う外注先への前払工事費用の増加や外注先の施工不良による検収の遅れという形となって現れ、資金繰り悪化を招くこととなった。幹部クラスを含めた社員の退職も相次ぐなか、法的整理を申請する前の月にはマンション新築工事での施工不備も指摘されるなど、拡大路線の歪みが見て取れた。

回収遅延の長期化で資金繰り悪化

「中央建設」のように、一見すると順調に見える業績の裏側で問題を抱えていた建設会社の倒産が、とくに昨年秋口以降、目に付くようになっている。

 2025年度に建設業で最大の倒産となった「中川企画建設」(大阪市、負債222億2200万円、10月会社更生法)の場合、年商が250億円を超えた2021年以降は増減を繰り返していたものの、年商100億円を突破した2015年以降の急拡大ぶりには目を引くものがある。同社は好調だったインバウンド需要を背景にホテルの建設を次々と受注し、さらにコロナ禍以降はメガソーラー建設を積極的に受注していった。