学校の授業で学ぶ歴史には、偉人たちの輝かしい功績や「すごい」エピソードが数多く登場します。しかし、どんな人物にもそれだけでは語れない一面があります。歴史をひもとくと、「すごい」人の中にも、思わず目を疑うような「やばい」行動や選択が、数多く記録されているのです。
そんな「すごい」と「やばい」の両面から、日本史の人物のリアルな姿に迫るのが『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』。本記事では、本書の内容を引きながら、日本史上「最も歴史を変えた人物」ベスト3を紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
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第3位:北条政子――武士の時代を決定づけた女傑
日本史には、国の運命を左右した決断の場面がいくつかある。
鎌倉幕府を開いた源頼朝が亡くなったあと、幕府は大きな危機を迎える。朝廷の実権を握っていた後鳥羽上皇が幕府打倒に乗り出した承久の乱である。以下は同書からの引用である。
「みんな心をひとつにして聞きなさい。あなたたちの身分と領地を保証してくれた頼朝様のご恩は、山よりも高く海よりも深い。いまこそそのご恩に報いるときです。日和ってんじゃねえよ! 上皇に味方したい武士いる? いねえよなあ!」――『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』より
政子の言葉によって鎌倉武士たちは結束し、幕府軍は朝廷側に勝利した。これをきっかけに、日本の政治は朝廷よりも武士が主導する時代へと大きく動いていく。
北条政子は朝廷と幕府の力関係を大きく変え、武家政権の時代を決定づけた。もし政子が武士たちをまとめ上げられなければ、その後の日本史はまったく違うものになっていたはずだ。
第2位:推古天皇――律令国家への道を開いた女性天皇
日本史上初の女性天皇とされる推古天皇。その時代は、日本が本格的な国家づくりへ踏み出していく重要な転換点だった。
争いで家族を失った推古は、憲法で「和=仲よくすることがいちばん大事」という意味の「和をもって貴しとなす」を日本の基本方針としました。――同書より
推古天皇の時代には、冠位十二階や十七条の憲法、遣隋使の派遣など、のちの国家制度につながる重要な取り組みが進められた。聖徳太子や蘇我馬子の活躍はよく知られている。しかし、その二人が活躍した時代の中心にいたのが推古天皇だった。
推古天皇の時代に進められた改革は、その後の律令国家(法律にもとづいて全国を統治する国家)の成立へとつながっていく。本格的な国家づくりの第一歩は、まさにこの時代に踏み出されたのである。
第1位:徳川家康――260年続く社会の土台をつくった男
関ヶ原の戦いに勝利し、江戸幕府を開いた徳川家康。彼のすごさは、天下を取ったことだけではない。その後、長く続く政治体制の土台を築いたことにある。
自分が開いた江戸幕府を永遠の政権にしたいと考えた家康は、二度と下剋上が起きないように「人をコントロールする学問」を使うことにしました。それが「儒学」です。――同書より
家康が築いた江戸幕府は、15代将軍にわたって260年以上続いた。その長い安定のなかで都市や交通網が整備され、商業が発展し、歌舞伎や浮世絵に代表される独自の文化も花開いた。
また、江戸時代には儒学、とくに朱子学が広く学ばれ、社会や教育にも大きな影響を与えていく。家康が築いた体制は政治だけでなく、人々の暮らしや価値観にも深く関わることになったのである。
江戸時代は、日本人の暮らしや価値観を形づくった時代でもある。その土台を築いた家康は、日本史の流れを大きく変えた人物といえるだろう。
(本原稿は『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』に関連したオリジナル記事です)









