特別な病気があるわけではない。でも、絶好調だった記憶がない――そんな状態が続いているなら、食物アレルギーの可能性を考えてみてほしい。ただし、アレルギー検査には知っておくべき「限界」がある。
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の著書『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』からヒントを探る。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)
「なんとなく不調」の原因が、食べ物にある可能性
健診では異常なし。
でも、いつもどこかだるい。
絶好調
という感覚が、最近ずっとない――
そういう状態が長期間続いているなら、食物アレルギーが一因になっている可能性がある。
アレルギーというと、蕁麻疹や呼吸困難のような激しい症状をイメージする人が多い。
しかし著者は、「なんとなく体調が絶好調にならない」という程度の軽いものも、アレルギーの一形態だと指摘する。
気づかないまま、何年も体に合わない食べ物を摂り続けているケースもある。
検査を受けることは有効だが、結果を「絶対」とは思わないこと
長期間何となく体調がすぐれない、あるいはこのところ絶好調になった記憶がない、といった場合は、何かの食物アレルギーの可能性もあります。試しに、病院に行って食物アレルギーの検査をしてもらってください。
検査項目数も主要な数項目から数十項目、さらには百項目以上といろいろなメニューがあります。ただし自費の場合が多いので、検査項目数に応じて料金がかさみます。
検査の結果、「甲殻類」や「そば」などに明確な陽性反応が出れば、話は簡単です。しかし、検査項目すべてが陰性だったり、複数項目に弱い陽性反応が出たりする場合もあります。
そもそも病院の検査だけでアレルギーがすべて明らかになるわけではありません。アレルギーには何種類もありますし、アレルギーをおこす物質は何万種類も存在しているからです。
検査が陰性でも実際にアレルギーをおこすこともあれば、検査が陽性でもアレルギーをおこさないこともあります。つまり検査結果が絶対的に正しいわけではありません。アレルギーのレベルも、呼吸困難のような激しいものから、何となく体調が絶好調にならないといった程度の軽いものまで千差万別です。
食物アレルギーの検査は、病院で受けることができる。
数項目から百項目以上まで検査の幅はさまざまで、自費診療になる場合が多く、項目数に応じて費用がかかる点は知っておきたい。
「甲殻類」「そば」など明確な陽性反応が出れば、対処はわかりやすい。
しかし著者が強調するのは、検査結果が絶対ではないという点だ。
検査が陰性でも実際にアレルギー症状が出ることがあり、逆に陽性でも症状が出ないこともある。
アレルギーを引き起こす物質は何万種類も存在しており、検査で網羅できる範囲には限界がある。
検査はあくまで「手がかり」として活用する
検査を受けることの意味は、原因を「確定」することではなく、可能性の範囲を絞り込む「手がかり」を得ることだ。
結果をもとに、食事内容を少し変えてみる。
体調の変化を観察する。
そのプロセス自体が、長年の「なんとなく不調」を解消する糸口になることがある。
検査結果の解釈や、その後の食事制限については、必ず医師や専門家に相談しながら進めることをお勧めしたい。
自己判断で特定の食品を極端に除去することは、栄養バランスを崩すリスクもある。
「なんとなく不調」が続いているなら、まずかかりつけ医に食物アレルギー検査について相談してみることだけでいい。
(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)
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本書では、東京農業大学で栄養学と生理学の研究を続け、医師でもある著者が「栄養学的に正しい」最高の食事術を紹介します。
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基本となる知識と具体的な食事術を学ぶことで「健康法」迷子から抜け出し、食事によって人生が変わる1冊です。
主要目次
第1章 まず知るべき「栄養と食品」の基本
栄養バランスは毎日考えなくていい─「1週間」でつじつまが合えばOK
「完全栄養食」を信じるな─「これだけを食べれば大丈夫」などありえない
トクホと「健康食品」はまったくの別物─機能性食品の違いをおさえる
第2章 「病気と栄養」の危ない関係
ジュースが危ない本当の理由─果糖とブドウ糖はヤバすぎる
「体にいい油」も要注意─変性すれば、すべて悪玉
「コーラで歯が溶ける」は本当─リン酸の強さとその代償
第3章 栄養学的に「ヤバい」食習慣
ファストフードで地雷を踏むな─シェイクのヤバさを知る
黒烏龍茶でチャラにはならない─「焼け石に水」で食べ過ぎを招く
プロテインが逆効果になる?─肝臓・腎臓が酷使される理由
第4章 頭が悪くなる「脳をダメにする」食事
ビタミン不足は静かに脳を鈍らせる─頭が悪くなる仕組み
「カルシウム不足でイライラする」のは本当か?─科学的根拠はない
「コーヒーを飲まないと頭が回らない」は危険信号─カフェイン依存のリスク
第5章 「体によさそう」に惑わされないための知識
野菜ジュースで「野菜」は摂れない─ビタミンCも食物繊維も抜けている
「グルテンフリー神話」に惑わされるな─アレルギーがなければ無視していい
サプリメントは買わなくていい─価格も品質も信用できない
第6章 「食べないほうがいい」食品の誤解を解く
コレステロールは敵ではない─体の必須成分と動脈硬化の関係
「白米を食べると太りやすい」のはなぜか─長所と短所を理解する
「うま味調味料=危険」は思い込み─グルタミン酸ナトリウムの正体
第7章 誰でもすぐに実践できる「栄養学的な食習慣」
チェーン店で健康的に食べる方法─最強はリンガーハットの「ちゃんぽん」
パフォーマンスを上げるには「お酢」を飲む─最速でシャキッとする
「腸活」ブームが見落としているもの─腸内細菌は大腸にいる
第8章 「体調と体質を改善する」食事術
風邪をひいたらホットジュースを飲む─「ダイダイ湯」「生姜湯」がいい
食べるべき食品ベスト1は「納豆」─ビタミンKが爆増する発酵の力
「なんとなく不調」なときは食べものを疑う─5つの食事リセット術
第9章 「ストレスから体と心を守る」食事術
老化と病気は抗酸化物質で防ぐ─「ポリフェノールたっぷり」に騙されない
「おいしく・安く・栄養豊富」な旬の食材を選ぶ─無駄にお金をかけなくていい
強いストレスには「動物性たんぱく質」と「ハーブティー」─メンタルを整える食事
第10章 「やせながら元気になる」栄養学的ダイエット術
「2日で1.5kg」は誰でもやせられる─大切なのは継続できるかどうか
リバウンドを防ぐための小さな工夫─体だけではなく「心の健康」を維持する
「体脂肪率」に振り回されるな─大切なのは「経過」を追うこと
第11章 「健康なまま長生き」するための食事術
「空腹は最強のクスリ」は本当か?─実践してわかった長所と短所
40歳から筋肉は勝手に減り続ける─寝たきり回避には「たんぱく質」が必須
発がん性物質を避けるには「焼く」よりも「煮る」─肉はマリネがおすすめ