ブルーベリーは目にいい――そう聞いて、意識的に食べてきた人は少なくないはずだ。しかし著者は、学生とともに実際に検証実験を行った。その結果と、この「常識」の背景にあるものとは。
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の著書『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』からヒントを探る。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

【医師が教える】「ブルーベリーは眼にいい」と信じている人が気をつけるべきことPhoto: Adobe Stock

「効果がある」と言われ続けてきた、その根拠は何か

ブルーベリーが目に良いというイメージは、広く浸透している。
サプリメントの広告でも、健康食品の棚でも、目の健康といえばブルーベリーだ。
しかし著者は、このイメージの根拠を冷静に問い直す。

「エビデンスがないから効果がない」とは断定できない。
そう認めたうえで、著者は自ら検証することを選んだ。
「言われているから正しい」ではなく、「実際に試してみる」という姿勢だ。

1か月間「山ほど食べた」実験の結果

エビデンスがないのでブルーベリーは目に効果がないと断定するのは正しい考え方ではありません。
そこで私は学生たちと一緒に、ブルーベリーを1か月間山ほど食べて、その前後で目の詳細な検査をしてみました。
結果は、目に対する明確な効果は見いだせませんでした。
なおこの実験結果は「効果がないことを証明した」わけではありません。
ブルーベリーの効果についての話に関しては、ブルーベリー関係者によるマーケティングの作用が大きいようです。ブルーベリーは目のために食べるのではなく、普通のおいしい果物として食べるのが正解でしょう。

著者と学生たちは、1か月間にわたってブルーベリーを大量に食べ、その前後で目の詳細な検査を行った。
結果は、目に対する明確な効果は見いだせなかった。
ただし著者は、これが「効果がないことの証明」ではないとも明記している。
あくまで「この実験では明確な効果は確認できなかった」という結果だ。

著者がより重要な指摘として挙げるのは、ブルーベリーの「目に良い」というイメージには、マーケティングの影響が大きく作用している可能性があるという点だ。
健康効果を前面に出した商品展開が、科学的根拠よりも先行しているケースは、食品業界に限らず珍しくない。

「目のため」より「おいしい果物として」食べる方が、じつは正しい

著者の結論はシンプルだ。
ブルーベリーは、目のために食べるのではなく、普通においしい果物として食べるのが正解だ。
健康効果を期待して義務的に食べるより、好きだから食べる――その方が、食事としても自然だ。

「○○を食べれば○○が良くなる」という情報は、食品や健康食品に関してあふれている。
そのすべてを否定する必要はないが、情報の出どころや根拠を一度立ち止まって確認する習慣は、無駄な出費と思い込みを減らしてくれる。

気になる「健康食品の効果」があるなら、まずその根拠がどこから来ているかを調べてみることだけでいい。

(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)