ライバルのジョブズに
塩を送ったビル・ゲイツ
マキャベリが説いたように、「友人は近くに置くべきだが、ライバルや敵対者はそれ以上に近くに置くべき」である。彼らの意図や戦略を理解することで、自らの計画を研ぎ澄まし、強みをさらに伸ばすことができるからだ。本来相容れないはずの敵であっても、状況によっては、「戦略的パートナーシップ」が成立し得る。
1990年代のアップルとマイクロソフトの関係は、その典型例である。1997年、倒産の危機に瀕(ひん)していたアップルに復帰したスティーブ・ジョブズは、最大の宿敵であったビル・ゲイツを説得し、1億5000万ドルの出資を引き出した。
当時のマイクロソフトCEO、スティーブ・バルマーは「我々がやった中で最もクレイジーな決断だった」と回想している。
しかし、この投資は結果としてマイクロソフトをも救うことになった。もしアップルが市場から消滅していれば、インターネット・エクスプローラーは完全な独占状態にあると見なされ、ネットスケープとのブラウザ戦争でマイクロソフトは独占禁止法上の厳しい立場に追い込まれていただろう。アップルの存続は、結果としてマイクロソフトの評判と法的地位を守ったのである。
さらに過激な歴史的事例として、第2次世界大戦中のフランクリン・D・ルーズベルトの戦略が挙げられる。彼は、イデオロギー的には不倶戴天の敵であったヨシフ・スターリンを、ナチス・ドイツに対抗するための同盟者として受け入れた。
こうした純粋な戦略的同盟の例はさておき、重要なのは、敵を「理想化」したり「悪魔化」したりせず、まずは徹底的に理解することだ。それこそが最も賢明なアプローチなのである。
お金を消費に使うよりも
未来の資産に変える
「ただ金を使うだけの人間は、資本家としての真の喜びを理解していない」――。これは、世界一裕福なアヒルとして知られるスクルージ・マクダックの言葉だ。
彼は巨大な金庫に積み上げられた金貨の山に飛び込み、そこで泳ぐ時間を何よりも愛した。ウォルト・ディズニー社の伝説的アーティスト、カール・バークスが生み出したこのキャラクターは、ある意味で「未来」を正確に見通していたといえる。







