たとえば、1957年にディズニー社が株式公開を果たした際、あなたが1000ドルを投資していたとしよう。50年後、その元本は250万ドルという巨額に膨らみ、さらに毎年4万ドルの配当を生み出していたはずだ。
対照的に、その1000ドルを当時の一時的な「消費」に消してしまった者は、金庫で泳ぐチャンスを永遠に失ったことになる。さらに深刻なのは、1000ドルを持っていないにもかかわらず、消費のために借金までしてしまう人々だ。彼らは一度踏み込むと抜け出せない泥沼へと陥っていく。実際、ドイツ国内だけでも約600万人もの人々が、消費者ローンの返済という終わりのない苦闘を強いられている。
世界一裕福なアヒルが教える教訓は、極めて明快だ。「稼ぐ前に使うな。そして稼いだ後も、ただ使うのではなく、それを『資産』に変えよ」ということである。
投資と趣味の両立が
人生を豊かにしてくれる
「明日のために貯めるだけでなく、今日を楽しもう」。この言葉が誰のものかはさておき、お金は単に蓄えるためだけでなく、人生を享受するためにもあるのだということを思い出させてくれる。
経済危機やインフレ、不透明な未来が続く今、この考え方は一見すると不適切に思えるかもしれない。むしろ今こそ、できる限り貯蓄し、賢く投資すべきではないか――そう考えるのは自然だろう。
『毎日が必ずうまくいく366のヒント』(ホス&ホップ著、伊達信夫訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
しかし、危機という枠組みではなく、「マインドセット」という視点から考えてみるとどうだろう。一生お金のために働くのではなく、できるだけ早い段階から、お金に自分のために働いてもらうという発想である。そう考えると、喜びや満足をもたらすだけの支出はしばらく控えるべきだという結論に至るかもしれない。だが、本当にそれでいいのだろうか。
自分への小さなご褒美をすべてやめてしまったら、あなたはどれほど効率的に働き続けられるだろう。何万ユーロもかかる大きな買い物や長期旅行である必要はないが、趣味には多少の予算が必要だ。
希少なレコードや古いビデオゲームの収集、ヨーロッパ各地でのサッカー観戦、あるいは子どもの頃に戻るようなテーマパークでの2日間――こうしたものはすべて、人生を豊かにするための大切な投資である。責任ある財務計画と、人生を彩る思い出をつくるための支出。その両方のバランスを取ることが、人生を本当に「生きるに値するもの」にしてくれる。







