住宅ローン返済が家計の重荷に

 最近になって金融機関の融資担当者は、別の視点から個人破産に注目している。住宅ローンを抱える人の破産リスクに神経をとがらせているのだ。

 住宅価格の高騰が続くなか、「さらに値上がりする前に」と焦って購入を決断する人は少なくない。すでに背伸びして住宅を購入した人について、ある融資担当者は「所得に占める住宅ローン返済の比率が高く、生活苦による破産が増える傾向にある」と指摘し、今後も同様のケースが増えることを懸念する。

 また、別の金融機関の融資担当者は、「物価上昇を考えずに地元の高価格マンションを購入したものの、実質賃金が目減りして破産寸前に陥っている債務者もいる」と警鐘を鳴らす。

 金利や物価上昇を上回る賃上げが実現すれば問題ないが、現実には実質賃金の減少が続いている。住宅ローン返済が家計の重荷となり、生活に苦しむ債務者は水面下で増えているようだ。

金利負担は10年前に比べて3倍のケースも

 国土交通省が公表した不動産価格指数は、2010年を「100」とすると、住宅地、戸建住宅、マンション(区分所有)を合わせた住宅総合は、2013年3月まで100を割り込むことが多く、2014年12月まで103台にとどまっていた。

 だが、2015年に104に上昇すると、2017年1月110.5、2021年6月120.5、2022年5月130.9、2024年9月140.8、2025年12月148.0と急カーブを描く。現在はさらに上昇しているとみられ、2010年と比較すると単純に不動産価格は1.5倍に上昇している。

 住宅金融支援機構の長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の借入金利(最低)をみると、各年3月の金利は、2009年は2.980%だった。その後、低下を続け、2013年は1.990%、2017年は1.120%まで低下した。ところが、2017年を底に、一転して上昇に転じ、2026年3月には2.250%まで上昇した。直近の6月は3.210%と一気に3%台に突入している。

 長期金利の急上昇が、住宅ローンに跳ね返っている。仮に、2017年3月と2026年6月で、住宅ローン5000万円、ボーナス返済無し、35年ローンの条件で返済額を単純計算すると、2017年は月返済14.4万円で返済総額は6047万円、利息は1047万円だった。