隣の席の同僚が、最近やけに仕事が速い。
後輩はいつの間にかAIで資料を作っている。
かたや自分は、ChatGPTを開いてはみたものの、どこで使えばいいのかわからず、なんとなく開かなくなってしまった――。同じAIを、同じタイミングで手にしたのに、別人のように加速する「化ける人」と、何も変わらない「終わる人」がはっきり分かれる。その差を生むのは、ITスキルでも知識でもない。たった一つ、「考え方」だ。
書籍『AIで終わる人 AIで化ける人』は、のべ1000社・3000名超のビジネスパーソンの「AIとの出会いの瞬間」を見てきた著者が、AI時代に淘汰される思考と飛躍する思考の違いを20の対比で解説した1冊。本記事では、本書より一部を抜粋・再編集して紹介する。
Photo: Adobe Stock
「自分の頭で考える」の価値
当社のサービス「AIR Design」を導入したある企業で、2人のマーケターがいました。
Aさんは、20年のキャリアを持つベテランです。
「自分の経験で十分やれる」と自負しており、AIが出してきた案を見ても「こんなの使えない」と一蹴しました。
結局、自分の頭の中にある過去の成功パターンだけで広告を作り続けました。
Bさんは、入社5年目の中堅です。
正直、広告の知識ではAさんに遠く及びません。
しかし彼は、AIが出した50案の中から「自分では絶対に思いつかなかった切り口」を見つけ、それをたたき台にして磨き上げました。
自分の足りない部分を、堂々とAIに補ってもらったのです。
結果、Bさんの広告はAさんのそれを大きく上回る成果を出しました。
Aさんに足りなかったのは、スキルではありません。
「自分の頭の外に正解があるかもしれない」と思えるかどうか。
たったそれだけの違いでした。
AIで面白いように飛躍する人
自分の経験だけを頼りに答えを出そうとする人は、AIをうまく使えません。
失敗を恐れて完璧な準備をしてから動こうとする人は、AIの恩恵を受けられません。
すべてを自分でコントロールしようとする人は、AIとの協働がうまくいきません。
逆に、自分の考えに固執せず他者やAIの力を借りられる人。
未完成でもまず動き出せる人。
仲間を巻き込み、失敗を共有できる人。
こうした人たちは、AIを手にした瞬間、面白いように飛躍していきます。
つまり、AIを使いこなすために最も必要なのは、新しい技術を学ぶことではなく、古い考え方を手放すことなのです。
(本記事は、『AIで終わる人 AIで化ける人』を一部抜粋し、作成したものです。)
株式会社ガラパゴス 代表取締役社長
早稲田大学理工学部卒業後、プロセス改善コンサルティングファームを経て2009年に創業。100を超えるスマホアプリ開発などを行うなかでデザイン産業の課題に直面し、いち早くAI技術の研究開発をスタート。2019年にAIを活用したクリエイティブ制作・改善サービス「AIR Design」をリリース。同サービスはのべ1000社・3000名以上に導入され、企業の業務フローと、個人の思考や働き方に根本的な変革をもたらしている。「ICCサミット KYOTO 2022 カタパルト X」優勝など起業・スタートアップ関連の賞を多数受賞。テレビやウェブメディアでも広く取り上げられ、1万人超への講演実績も持つ。現在は累計約24億円の資金調達を実施し、AI技術の社会実装を牽引している。








