国際サッカー連盟(FIFA)の幹部らが昨年、米首都ワシントンでのワールドカップ(W杯)開幕イベントの準備を進めていたとき、ジャンニ・インファンティノFIFA会長(56)はひらめいた。通常はサッカーファンにしか関心を持たれない12月の会合を、地政学的なニュースイベントに変えることはできないか。世界で最も人気のあるスポーツを約10年にわたって統括してきたスイス人弁護士のインファンティノ氏は、ボールを蹴ることとは無関係の新たな賞を授与しようと考えた。彼はそれを「FIFA平和賞」と名付け、初代受賞者をドナルド・トランプ米大統領とすることにした。2人のFIFA関係者によると、インファンティノ氏がこのアイデアをサッカーの国際統括機関であるFIFA評議会に提示したとき、その場にいた人のほとんどにとっては寝耳に水だった。評議会のメンバーは、この件をどう受け止めればよいか判断しかねた。前例のないことだったからだ。