部下を褒め、食事に誘い、給与を上げ、あらゆる気遣いをしているのに、なぜか手応えを感じられない――そんな状態に陥っている管理職は多い。

ご飯いく?

「部下のモチベーションをどう上げるか」は、最も多い悩みだ

管理職からの相談の中で最も多いのが、
「どうしたら部下のモチベーションを上げられるか」という問いだという。
それだけ多くの上司が、この問題に悩み、試行錯誤を続けている。

世の中にはモチベーション管理に関する書籍や研修があふれており、
「部下を承認しよう」「小さな変化を褒めよう」「食事に誘って本音を聞こう」といった
アドバイスが数多く存在する。
こうした情報を真剣に受け止め、
部下の機嫌を取り、やる気を引き出そうと努力している管理職は少なくない。

12年間、あらゆる手を尽くした結果

私のSNSや講演会で、管理職の方から最も多く寄せられる質問は「どうしたら部下のモチベーションを上げられますか?」というものです。
世の中にはモチベーション管理に関する書籍や研修があふれています。「部下を承認しよう」「小さな変化を褒めよう」「食事に誘って本音を聞こう」。これらを真に受け、必死に部下の機嫌を取り、モチベーションを高めようと努力している方は多いのではないでしょうか。
私自身もそうでした。コンサルティング会社を退職し、家業を継いでからの12年間、私は必死でした。部下を褒めちぎり、頻繁にご飯に誘ってみたり、無理をして給与を上げてみたり……。あらゆる「気遣い」をフル動員して、彼らのやる気を引き出そうとしました。
しかし、結果はどうだったか。
部下のモチベーションが上がったかどうかはわからず、むしろ「これだけしてやっているのに」という見返りを求める気持ちが生まれ、勝手に裏切られたような気分になっていました。
そして何より、私自身が部下の顔色をうかがうことに疲れ果て、何のために社長をやっているのかわからなくなってしまったのです。

著者自身も、家業を継いでからの12年間、こうした取り組みを続けてきたという。
部下を褒め続け、頻繁に食事に誘い、無理をして給与を上げ、
あらゆる気遣いを総動員して、部下のやる気を引き出そうとした。

しかし、その結果どうなったか。
部下のモチベーションが実際に上がったかどうかは定かではなく、
むしろ「これだけやっているのに」という気持ちが生まれ、
報われないような感覚を抱くようになっていった。
さらに深刻だったのは、部下の顔色をうかがうことに疲れ果て、
自分がなぜリーダーをやっているのかわからなくなってしまったということだ。

「モチベーションを上げること」を目的にすると、上司が消耗する

この経験が示しているのは、部下のモチベーションを管理しようとすること自体が、
上司にとって非常に消耗しやすい取り組みだということだ。
部下の内面の状態を外側からコントロールしようとすることには、限界がある。
どれだけ手を尽くしても、相手が「やる気になるかどうか」は、
最終的には部下自身の問題でもある。

それでも「もっとやらなければ」と気遣いを続けていると、
上司の側だけが疲弊していく。
そして疲弊した状態では、本来の判断力も発揮できなくなり、
チーム全体への影響も出てきてしまう。
「部下のモチベーションをどう上げるか」という問いに答えようとする前に、
上司として本当に果たすべき役割が何かを、改めて見直すことが必要になってくるのかもしれない。

今日から試すなら、部下の顔色をうかがうのをやめ、自分が上司として本来すべきことに意識を向け直すことだけでいい。

(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)