宿敵だった仏と同盟を結んだマリア・テレジアの決断は、現代のビジネスでも重要です。環境変化が激しい今、ライバルとの協業は生き残りに不可欠。成功の鍵は、リーダーが「未来の目的」を明確に示し、小さな協業で成功体験を積んで現場の不信感を解消すること。過去の「戦う相手」に固執せず、「何を実現するか」を基準に最善のパートナーを選ぶ柔軟なリーダーシップが求められています。

【歴史に学ぶ】「ライバルとは組まない」は自滅への道…宿敵と同盟を結んだ人が得る驚きの果実Photo: Adobe Stock

なぜ優れたリーダーは敵と手を結べるのか?

マリア・テレジア(1717~1780年)は、オーストリアの女王。中世から続くヨーロッパの名門、ハプスブルク家の一員として生まれる。父カール6世には男子の後継者がいなかったため、女性ながらもハプスブルク家の王位を継承する。この継承を認めない列強や周辺国との間でオーストリア継承戦争が勃発したが、従来反抗的だったハンガリーを味方につけることに成功し、最終的に王位を維持。継承時にプロイセンのフリードリヒ2世(大王)によって奪われた領土をとり戻すため、七年戦争を行う。フランスやロシアと同盟を結び奮戦したが、最終的には領土の奪還には至らなかった。内政面では、初等教育の義務化や表現の自由を進めるなど、啓蒙専制君主としての姿勢を示す。これにより、18世紀ヨーロッパの歴史において重要な人物の一人として記憶されている。

歴史に学ぶ「宿敵と手を組む」という決断

18世紀、オーストリアの女王であったマリア・テレジアは、奪われた領土を取り戻すために大きな決断を下しました。それは、長年の「宿敵」であったフランスと同盟を結ぶことでした。

一見すると驚くべきこの行動ですが、実は現代のビジネスシーンを生き抜くための重要なヒントが隠されています。この歴史的な決断から私たちが何を学べるのかを考えてみましょう。

なぜ今、ライバル企業との「協業」が必要なのか

現代の企業経営においても、マリア・テレジアのように「かつての敵と手を組む」という選択が求められる場面が増えています。

長年競い合ってきたライバル企業は、自社の社員にとって「絶対に負けたくない相手」であり、誇りやアイデンティティと結びついていることも少なくありません。しかし、市場の成熟化やグローバルでの競争激化、さらにはAIなどのテクノロジーの急速な進化といった激しい環境変化の中では、単独で戦い続けることには限界があります。

今や、「ライバルと協力すること」こそが、自社の成長や生き残りに直結する時代になっているのです。

合併だけではない!多様化する協業のカタチ

ライバル企業との協業といっても、会社を一つにする「合併」や「買収」といった大規模なものばかりではありません。もっと柔軟で多様な方法があります。

●相互補完の提携: 自社だけでは対応しきれない案件を互いに紹介し合う
●新商品の共同開発: お互いの得意な技術やノウハウを持ち寄る
●合弁会社の設立: まったく新しい市場を開拓するために共同で別会社をつくる

実際に、これまで真っ向から競合していた企業同士が、脱炭素に向けた取り組みや海外への事業展開といった分野で手を組み、大きな成果を上げている事例は年々増えています。