ついに日経平均が7万円を突破した。だが、その裏ですさまじいインフレがしのびよっている。どうすれば、投資に失敗せず、確実に貯金を増やせるのか?
そんなときにおすすめの本がある。
『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』と、『お金の大学』の両学長に絶賛されている『THE WEALTH LADDER 富の階段』だ。
今回は、「読むと人生が変わる」「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書!」と絶賛されている『JUST KEEP BUYING』についてライターの前田浩弥氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

酒場のドイツ人に学んだすごいお金の使い方・ベスト1Photo: Adobe Stock

酒場に突然現れた、異国の来訪者

 今から3年ほど前、世の中がコロナ禍から脱却し始めた頃のこと。
 私の行きつけである、カウンター8席しかない場末の居酒屋に、外国人の若者がひとりで入ってきた。

 20代半ばに見える男性だった。
 女将が「いらっしゃい」と声をかけると、彼は、おそらく英語であろう言葉で、にこやかに返す。どうやら日本語は話せないらしい。

 店の佇まいが佇まいなだけに、20代の客がひとりで訪れること自体、かなり珍しい。しかも外国人となると、輪をかけて珍しい。

 女将も、私をはじめとした常連客も、日本語しか話せない。店は若干のてんやわんやに陥りながらも、彼を迎え入れた。

なぜ、一人で日本に来たのか?

 しばらくすると、「話している言葉はわからないけれど、どうやらいいヤツらしい」ということがわかり、いつもは日本語で罵り合いが巻き起こる酒場に、いつになくやさしい空気が流れ始めた。

 彼も同じように、私たちを「話している言葉はわからないけれど、どうやらいいヤツららしい」と思ってくれたのだろうか。翻訳アプリを使い、私たちとコミュニケーションを取り始めた。

 彼はドイツ人で、一人旅の最中らしい。

 映画『君の名は。』を見て日本の風景に魅せられ、「いつか日本を旅したい」と思っていたという。
 会社を辞めたタイミングで、貯金をはたいて2週間の日本旅行を敢行。
 飛騨高山で『君の名は。』の聖地巡礼をし、大阪で食い倒れたのち、東京でまた『君の名は。』の聖地巡礼をして、日本最後の夜、この街外れの居酒屋に流れ着いたのだという。

 私たち常連仲間は、彼に、その居酒屋のおすすめである厚揚げと焼きうどんをごちそうした。

「正しいお金の使い方」とは?

 今後の仕事もまだ決まっていない中、貯金のほとんどを使って日本を旅することに、彼と近しい人たちは、あまりいい顔をしなかったそうだ。

「それは本当に正しいお金の使い方なのか?」とも聞かれたらしい。

 しかし彼は、「この旅をして本当によかった。日本は想像していた以上に美しかった。やさしい人にもいっぱい出会えた」と語った。

 微塵も後悔していない様子だ。

正しいお金の使い方」とは、どういうものなのだろう。

 ベストセラー『JUST KEEP BUYING』には、こんな一節がある。

自分にとって大切なことは何か?
こんな生き方はしたくない、と思うものは何か?
どんな価値観を世界に広げたいか?
こうした問いへの答えがはっきりすれば、お金を使うことが簡単になり、楽しくなる。
つまり重要なのは、「何を買うかではなく、どんな基準で買うか」なのだ。
――『JUST KEEP BUYING』(p.98~p.99)

 日本語を一切話せない中で敢行した2週間の日本旅行が、彼に大きな自信と、今後の生きる活力と、決して忘れることのない思い出をもたらしたとしたら、それは間違いなく「正しいお金の使い方」だったはずだ。

 そしてその勇敢な旅は、日々飲んだくれて生きる我々常連にも、大きな刺激を与えた。

 彼は厚揚げと焼きうどんを気に入り、いつかまた絶対、この店に来ると言っていた。
 おそらく本当に来るだろう。
 そのときにはとてつもない成長を遂げているはずだ。

 我々常連も、負けている場合ではない。
 彼ほどとは言わないまでも、こちらも前回よりちょっとくらいは成長した姿で、また彼に会いたい。

 あの出会いを境に、常連たちは、ただ飲んだくれるばかりでなく、日々を確かに生き始めた。

 ひとりの青年の旅は、まったくの異国に住む4人ばかりの大人の人生を変えたのだ。こんなに意義のあるお金の使い方があるだろうか。ベストセラー『JUST KEEP BUYING』を熟読しながら、私は改めて、彼から学んだ「何を買うかではなく、どんな基準で買うか」という価値観を思い出した。

(本稿は、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』に関する書き下ろし特別投稿です)