
航続距離、充電時間、加速の勢い……とかく「数字」で語られることが多い電気自動車(EV)。しかし3代目リーフがこだわったのは、スペックには現れない使い勝手の良さを磨き、「日常の足」として使いやすいクルマに仕上げることだった。EVを16年造り続けてきた日産が次に目指すのは「『どこまでも行けるクルマ』ではなく、『どこまでも行きたいクルマ』にすること」だという。リーフの新しい開発責任者は、長らく電子電装を専門にしてきたエンジニアであり、「AIを今後どうクルマに実装するかが大事だ」と話す。「フューチャースタンダードEV」、日産が描く“未来の普通”とは何なのか?(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)
ベトナム・ハノイで2つの世界遺産を訪れた
みなさまごきげんよう。
フェルディナント・ヤマグチでございます。
今週も明るく楽しくヨタ話から参りましょう。
週末は駆け足でベトナムに行って参りました。
目的地は2つ。ハロン湾とホアロー刑務所。2つの世界遺産です。
ハロン湾ではカヤックに乗って海蝕洞窟を探検しました。カヤックは何のインストラクションもなし。救命胴衣とパドルを渡され、「はい。あれに乗って」と。このアバウトな感じがたまりません。
世界遺産のハロン湾。奇岩が連なる絶景に圧倒されます Photo by Ferdinand Yamaguchi
何のインストラクションもなくいきなり漕ぎ出すカヤック。まあでも、何とかなるものです Photo by F.Y.
ハノイの中心部にあるホーチミン廟。巨大な花崗岩の建物は、旧ソ連の香りが色濃く漂います。建国の父を永遠に保存し続ける姿は、まるで社会主義国家における「聖人信仰」を見るようです。
ホーチミン廟の威容 Photo by F.Y.
興味深いのは、ホーチミン自身は火葬を希望し、遺灰を国土各地に撒いてほしいと遺言していたことです。しかしベトナム共産党指導部は、国家統合の象徴としてレーニン方式で保存することを選択しました。これは中国の毛沢東なども採用した手法です。
たとえ建国の父であっても、国家の意思が優先される。その象徴のような場所でありました。
ホアロー刑務所で気づいた、「語られない日本」
もうひとつの世界遺産、ホアロー刑務所。ここはとても強烈でした。
フランス統治時代には独立運動家を収監し、ベトナム戦争中には米軍パイロットを収容した場所で、米兵からは「ハノイ・ヒルトン」と呼ばれていたとか。現在は記念館としてフランス植民地支配の苛烈さや米軍との戦いを伝える展示が並んでいます。
ホアロー刑務所の展示物 Photo by F.Y.
展示物をつぶさに見て回った後、あることに気付きました。日本に関する展示物がないのです。ビデオで一瞬流れるだけで、展示物はほとんど見当たらない。
1940年代、インドシナには日本軍も進駐していました。1945年の敗戦直前には、フランス当局を武装解除し、実質的にこの国を支配した時期もあります。しかし展示を見渡しても、日本に関する説明がほとんどない。
これには私なりの考察があるのですが、ものすごく長くなるので別の機会にお話しようと思います。要は「何を語るかと同時に、何を語らないか」もまたメッセージであるということです。
こちらはトレインストリート。線路脇に茶店や土産物屋が並び、目の前を通り過ぎる列車を眺めながらお茶を楽しみます。いや実にたくましい。
トレインストリート。時間になれば、写真中央の線路の上、左右の店のスレスレを汽車が走り抜けます。もう何でもアリという感じ Photo by F.Y.
絶景あり、社会主義あり、戦争の記憶あり、そして線路脇で平然と商売する人々あり。ベトナムはとても複雑で、したたかで、エネルギッシュな国でありました。
そろそろ本編へと参りましょう。3代目日産リーフの開発者インタビューであります。
日産「リーフ」(広報写真)







