AIへの巨額マネー流入、大きな警告サインPhoto:Spencer Platt/gettyimages

 人工知能(AI)の勝者になるとの期待から投資家がある企業の株価を押し上げているにもかかわらず、その製品に人気がないなら、どうすべきか。米実業家イーロン・マスク氏なら、こう答えるだろう。割高な自社株を使って別のAI事業を買収しなさい、と。

 マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXは、AI開発の米新興Cursor(カーソル)を600億ドル(約9兆7000億円)で全額株式交換により買収することで合意した。カーソルは会話形式でAIに指示してコードを自動作成する「バイブコーディング」を普及させた企業だ。この買収によりマスク氏は、スペースXの対話型AI「Grok(グロック)」では実現できなかった形で、企業向けAIの有力プレーヤーになる。

 同時にこの買収は、割高な評価を気にしない投資家に対してさえも深刻な警告サインを発する、株式発行ラッシュの一部を成している。