それ、詐欺じゃない?ATMで高齢男性がスマホで話しながら焦って操作している→声をかけるか、見過ごすか写真はイメージです Photo:PIXTA

大人の日々は「選択」の連続です。ピンチをチャンスに変えるには、どうすればいいのか。高い評価や人望や信頼をたくさん得られるのは、どっちの選択肢か。微妙な状況への立ち向かい方を通じて、より大きな幸せをつかめるトクな道を探りましょう。
※「お悩み」は編集部で作成した架空のモデルケースです。

今回の「お悩み」

 銀行のATMが何台か並んでいるコーナー。隣で高齢男性がスマホで話しながら、おぼつかない手つきで機械を操作している。かなり焦っている様子だ。

「もしかして詐欺では?」と思ったが、いきなり声をかけるのはためらわれる。「大きなお世話だ!」と怒られるかもしれない。

 しかし、詐欺の可能性が濃厚なのに、黙って見過ごしてもいいものかどうか……。さて、どうする?

選択のポイント

「自分には無関係なんだから、首を突っ込む必要はない」「詐欺だとしても、この人の自己責任」という考え方も、あるといえばあります。ただ、こうして読んでいる分には、多くの人が「もちろん、声をかけるべきだ」と思うのではないでしょうか。

 とはいえ、実際に行動を起こせるかどうかは、また別の話です。いざ声をかけようとても体が固まってしまいそうだし、どう言えばいいのかよくわかりません。

 しかし、オタオタしているうちに男性が操作を終えて立ち去ったら、激しく後悔することになります。

 万が一、そういう場面に遭遇したときに備えて、イメージトレーニングをしておきましょう。

 いきなり「それ、詐欺ですよ」と言っても、信じ込んでいる相手はむしろ意固地になりそうです。まずは「ちょっといいですか」と声をかけて手を止めさせたいところ。

 その上で、ATMの横にある受話器を取って、電話の先の銀行の人に「今、スマホで話しながらATMを操作なさっている方がいます」と、横の男性にも聞こえるように大きめの声で伝えます。「な、なにするんだ」「邪魔するな」ぐらいのことは言われるかもしれませんが、どうにか説得し、警察や銀行の人が来てくれるまで時間を稼ぐ……。

 などと脳内でシミュレートしておけば、いざという場面で最初の一歩を踏み出せるはず。何もできなかった自分を正当化するために、「勘違いだったら失礼だから」といった言い訳をするような生き方はしたくないもの。勘違いだったとしても、どうってことありません。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール