人は何かを始めるとき、つい「結果」を考えてしまうものだ。しかし、中国の名門・北京大学出身の心理カウンセラー、リ・ソンウェイ氏は、その考え方こそが変化や成功を遠ざけてしまうと言う。結果ではなく、「試してみること」自体を目的にする――。そんな「実験する姿勢」について、今回は紹介する。
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実験する姿勢のすすめ
【本原稿は、『5%の変化――自分を変える「小さな実験」』(リ・ソンウェイ著)からの抜粋です】
1985年生まれ、中国・四川省出身。北京大学臨床心理学博士。2007年より北京大学校医院心理カウンセリングセンターおよび北京大学学生心理健康教育カウンセリングセンターでカウンセラーを務める。認知行動療法と家族療法が専門。現在はフリーの心理カウンセラー、作家として活動するほか、清華大学をはじめとする各大学で心理学講座を受け持ち、人気講師として名高い。著書に『5%の変化--自分を変える「小さな実験」』がある。
人に何かを提案するとき、私は一つのやり方を取っています。
それは、「結果」についてはあらかじめ予測を立てないということです。
結果を決めてしまうと、その提案は「指示」になってしまいます。しかし結果がわからなければ、それは「試み」になります。
ここで言う「試み」とは、結果をあらかじめ決めない実験のようなものです。さまざまな実験と同じく、結果がわからないからこそ意味が生まれます。そこで起きた結果は、最初の仮説を証明するかもしれませんし、まったく逆になるかもしれません。
私は、相談者に提案する際、「まず試してみてください、結果がどうなるか一緒に見てみましょう」という姿勢を明確に示します。自信満々に、「私の言うとおりにすれば、必ず問題は解決します」とは言いません。そもそも、そんな保証ができる人などいないでしょう。
それ以上に問題なのは、望む結果のために行動しようとすると、人は失敗を恐れて動けなくなってしまうことです。
では、結果のために行動するのでなければ、何のために行動するのでしょうか。
答えは明確です。
行動そのものを実験とみなし、そこから真理を探るためです。
結果が期待どおりであるかどうかにかかわらず、私たちは行動することで物事への理解を深められます。それが、現実世界の基本的な仕組みであり、私たち自身にも当てはまります。
ほとんどの場合、結果は最初の期待とは違ったものになります。しかしそれでも、行動(試み)の過程で、自分自身についての理解を深められます。
もし行動の目的を「成功」に置けば、失敗は怖いものになります。しかし、行動の目的を「自己を知ること」に置くなら、失敗という概念は意味を失います。結果がどうあれ、私たちは自分の特徴や傾向を理解できるからです。
他人に役立つ方法が、あなたにも役立つとは限りません。あなたには、もっと適した別の方法があるかもしれません。
だからこそ、まずは試してみることです。
そう考えれば、もっと気軽に行動できると思いませんか?



