AIは、仕事の相談にも恋愛の相談にも答えてくれる便利な存在です。しかし、便利だからこそ、「答えさえ聞けば人生もうまくいく」と考えてしまう人も増えています。『世界の果てのカフェ』には、そんなAI時代だからこそ心に留めておきたい、大切なメッセージがあります。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「仕事も恋愛も、AIで答えを聞いてしまいます」。AI漬けの人に効く名言・ベスト1Photo: Adobe Stock

AI漬けの人に効く名言とは?

 最近、こんな相談があった

「仕事でも恋愛でも、何かうまくいかないことがあると、すぐにAIで『どうすればいいですか?』と、答えを聞いてしまいます。何事にも『答え』があると思っているのですが、それは間違っているでしょうか?」

 この相談を聞いて、私は「AIを使うこと」が問題なのではなく、「AIとの向き合い方」が問題なのだと思った。

 AIは、とても優秀だ。知識もある。文章も書ける。相談にも乗ってくれる。
 だからこそ、人はつい「正解を教えてもらおう」としてしまう。

 そんなとき、私は『世界の果てのカフェ』の一節を思い出す。

人生には、一つの正解があるわけではない

 本書には、こんな言葉がある。

「そうだなあ、答えを見つける方法について言えば、ひとつのやり方が誰にでも当てはまるとは思わない。みんなそれぞれ、自分なりの方法で人生に取り組んでいるからね」
――『世界の果てのカフェ』より

 私は、この一文がAI時代にますます重要になると思っている。

 AIは、多くの人に当てはまりそうな答えを提示することは得意だ。
 しかし、「あなたにとって唯一の答え」を決めることはできない。

 なぜなら、人生は数学の問題ではないからだ。
 同じ悩みでも、置かれている環境も、価値観も、人生の目的も違う。

 だから、一つの正解が全員に当てはまることはないのである。

AIは「答え」をくれる。でも「納得」は自分でつくる

 AIに相談すると、安心する。
 迷いが減る。
 行動のヒントも得られる。

 それは、とても価値のあることだ。
 しかし、そこで思考を止めてしまうと危険でもある

 AIがくれた答えを、そのまま自分の答えにしてしまえば、自分で考える力は少しずつ弱くなってしまう。
 AIは地図を示してくれる。
 けれど、その道を歩くのは自分だ

 歩いてみて、「違った」と感じることもある。
 遠回りになることもある。
 その経験まで含めて、自分だけの人生なのである

AI時代だからこそ、自分の答えを持つ

 相談者に私はこう伝えた。

「AIには答えを聞いてもいい。でも、最後の答えは自分で決めてください」

 AIを使うことは悪いことではない。
 むしろ、これからの時代には欠かせない存在になるだろう。
 しかし、AIが教えてくれるのは、あくまで選択肢である

 その選択肢の中から何を選ぶか。
 あるいは、どれも選ばないのか。

 その責任だけは、人間にしか持てない

世界の果てのカフェ』が教えてくれるのは、「人それぞれ、自分なりの方法で人生に取り組む」という、ごく当たり前でありながら、とても大切なことだ。

 AIがどれほど進化しても、自分の人生を生きる方法だけは、自分自身で見つけるしかない
 そのことを忘れなければ、AIは人生を豊かにしてくれる最高のパートナーになってくれるはずである。

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)