それは主義? はたまた事情??
「AかBか」という主義が分かれそうなトピックをあらためて考える、人気エッセイストの古賀及子さんによる書き下ろし記事を掲載します。
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完全な前倒し派だ
完全な前倒し派だ。先送りはできるだけしたくない。
もともとがせっかちなものだから、タスクをため込むのが苦手で、とにかく早くに着手して終わらせてしまいたいといつも思っている。
とくに、頭を使わずに手を動かせばすぐ終わることへの意欲は凄まじい。書類の手配や手続きはむしろ好きで、確定申告は毎年、受付開始初日に提出している。
メールの返信も早い方だと思う。
あまりに早いと、どういう時空を生きているのだと恐れられるかもしれないと懸念して、本当は受け取った直後には返信できるのだけど、あえて半日くらい寝かせてから返信することもある。
締切への畏怖
先日、高校生の息子から、夏の間は学生シャツだけじゃなく、紺のポロシャツの着用が学校で認められるようになった、メーカーはどこのでもいいらしいから、どこかで買おうと思うのだけど、とLINEで相談された。
相場を調べるために、GUとユニクロと無印良品のサイトから、紺のポロシャツを探して息子にURLをLINEで送って、あとでタイムスタンプを見たら、息子からのLINEを受け取った一分後にはもう送信していた。
相手が家族なものだから、素が出た。我ながら落ち着けと思う。
頭を使わねばならない作業や、不明な点が多く調査が必要な仕事だとなかなか着手できず、ついSNSを見たり、会話型AIに話しかけるなど寄り道をして無駄に時間をやりすごしてしまうことばかりだ。
それでも、締め切りは私にとって絶対的な強制力としていつもある。事情がない限り、基本的には畏れて間に合わせる。
家のことは一つひとつ丁寧に、後回しになる
いっぽうで、まったく構わず、延々ほったらかしにすることがある。
家のことだ。
どういうわけか家の不都合は、一つひとつ丁寧に、後回しになる。
いつかやらなくてはなあと思いながら、着手ができていない家事をピックアップしてみた。埋没させるように手をつけずに忘れていることが、大小、あれこれ出てきた。
・給湯器の点検ランプが点灯している、点検を依頼する
・郵便受けの蓋がはずれやすい、修理する
・乗らない自転車を処分する
・クーラーを買い替える
・水栽培で育ったアボカドを鉢に植える
・加工がはげ、こげつきやすくなったフライパンを買い替える
どれも、かねてやらねばと思っていることだ。
フライパンは、使うたびに今日こそ買おうと思うし、アボカドも水を替えるたびに、土に埋まって落ち着きたいだろうと、もさもさ生え出す根に申し訳なく思う。
郵便受けの蓋はもはや十年以上ほったらかしではないか。ああ不便だなあと、実感するのが一日数回、一秒程度なものだから、絶妙に大きなダメージは受けるに至らず、それで放ったままにしてしまう。
先日、うっすらと長く悩んでいた飲料水の問題が、蛇口に取り付けるタイプの浄水器をつけることで一気に解決した。
思ったよりもずっと気分が晴れたし、日々、よかったなあと思い続けてしがむほどだから、ほったらかしのタスクも、思い切って解決すればすっきりするはずなのだ。





