子どもたちに絵本を読む保育士写真はイメージです Photo:PIXTA

保育士や幼稚園教諭、栄養士など、地域を支える専門人材を育ててきた短期大学。かつては女性の進学先として4年制大学を上回る人気を集めていたが、1990年代をピークに学校数、学生数ともに減少が続いている。近年は学生募集を停止する短大が相次ぎ、その背景には少子化だけでなく、国の修学支援新制度をめぐる問題もあるという。かつて多くの女性が進学した短期大学は、なぜ苦境に立たされているのか。その変遷をたどる。※本稿は、記者グループの朝日新聞「ひらく 日本の大学」取材班『崖っぷちの私立大学 偏差値で測れない価値をどう見抜くか』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

3年で短大の2割が閉学
少子化以外の原因とは?

 保育士や幼稚園教諭、栄養士……。地域で活躍する人材の養成には、短期大学が大きな役割を果たしてきた。だが、4年制大学や共学校で学びたい女性が増え、1990年代をピークに学校数も学生数も減少が続いてきた。それでも閉学を決めて学生募集を停止する短大は、毎年数校程度にとどまっていた。ところが、24年度になると急増する。25年度から27年度までのわずか3年の間に、学生募集を停止する短大は少なくとも57校に達した。短大全体の20%にもなる衝撃的な数だ。

「少子化に加えて、国の修学支援新制度の対象外となってしまったことが大きかった」。

 26年度から学生募集の停止を決めた、ある地方私立短大の学長はそう言って悔しがった。

 開学は半世紀以上も前。卒業生は1万人を超す。保育士をはじめ、地域産業を支える人材を輩出してきたと学長は自負する。だが、9割台を維持していた入学定員充足率が、5年ほど前から急速に低下し始めた。24年度は何とか6割程度を維持していたが、25年春にはついに5割を切った。