中島聡氏 写真:徳間書店提供
ドローンと聞くと、荷物を運ぶ配送サービスを思い浮かべる人が多いだろう。しかし、その役割は物流にとどまらない。エンジニアの中島聡氏が、ドローンが社会の仕組みそのものを変える未来を描く。※本稿は、エンジニアの中島聡『2034 未来予測――AI(きみ)のいる明日』(徳間書店)の一部を抜粋・編集したものです。
ドローンは限界集落を
もう一度社会とつなぐ
日本でも限界集落の問題が深刻化しています。また、山間部などでも人手不足によって物流そのものが成り立たなくなりつつあります。配達には時間も人手もかかり、コストは都市部の比ではありません。結果として、「届けられない」「採算が合わない」という理由で、サービスそのものが撤退していくのです。
こういった地域でドローンの強みが光ります。ドローンは道路事情に左右されません。険しい山道も、崩れかけた橋も関係ない。空を直線で飛び、最短距離で物資を運ぶことができます。
特にドローン配送が効果を発揮するのは、日用品や大型荷物ではなく、医薬品・検査キット・重要書類といった「軽くて、急ぐもの」です。高齢者が多い集落で薬が切れた。悪天候で道路が寸断された。そんなとき、人が行くよりも、ドローンのほうが速く、確実で、安全です。
すでに海外では、ドローンによる医薬品配送が実用化され、実際に命を救っています。規制の課題は残るものの、ドローン物流が今後大きく進化していくのは間違いないでしょう。







