「配達員」が
歴史の教科書に載る日
ここで、「人型ロボット」との役割分担を整理しておきます。オートロックのマンションに入り、エレベーターに乗り、玄関先で荷物を手渡す――こうした高密度で複雑な空間は、人型ロボットの独壇場です。
一方で、ドローンの強みはまったく別のところにあります。それは、距離と地形を無効化することです。
都市部の「複雑な屋内空間」は人型ロボットが担い、地方の「長距離・険しい地形」はドローンが一直線につなぐ。この2つが組み合わさったとき、次世代の物流インフラは完成するでしょう。
ドローンは、人の代わりに働くだけの存在ではありません。人が行けなくなった場所をもう一度、社会とつなぎ直す技術なのです。
かつて、電話をかけるには「電話交換手」という職業が不可欠でした。相手の名前を告げ、交換手が手作業でケーブルをつなぎ合わせることで初めて会話が成立していたのです。しかし、電話が自動でつながるようになり、さらにインターネットが登場すると、その職業は歴史の中に消えました。いまでは電話交換手はもはや「昔話」の中の存在です。
同じことが、物流の世界でも起きようとしています。数十年後、私たちは子どもたちに「昔は人間がトラックを運転して、1軒ずつ荷物を配っていたんだよ」と語り聞かせ、驚かせているかもしれません。
ドローンが空を、ロボットが地上を駆け巡り、AIがそのすべてを管理する時代。「人間の配達員」という職業もまた、テクノロジーがもたらす圧倒的な合理化の波に洗われ、電話交換手と同じように静かにその役目を終えていくことになるでしょう。
ドローンの「目」が
建設現場のあり方を変える
ドローンの最も重要な機能の1つは「目」になることです。人間が立ち入れない場所を見る。人間の視界が届かない範囲を、常時、正確に把握する。その能力が、すでに多くの現場の常識を塗り替え始めています。
たとえば、建設現場です。







