「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがち。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。そんな木下氏が考える「結果を出し続ける人」の特徴とは? ライターの照宮氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

「結果を出し続ける人」が真っ先にやっていること・ナンバー1Photo: Adobe Stock

フォロワーが望むことと自分が書きたいことのギャップ

Xのフォロワーがまだ少なかった頃、日常のちょっとしたことを投稿していたが、反応はいまひとつだった。
ところがあるとき、ハマっている発信者の考えをまとめたものをUPしたところ、それまでとは比べものにならない勢いで広がり、フォロワーも増えた。

自分の言葉より、誰かのまとめのほうが求められている。そんな気がして、正直、複雑な気持ちだった。
フォロワーが望むものと自分が書きたいものにズレが生じている。
そう気づいてからは、自分に関する発信をすることに、どこか気が引けるようになってしまった。

「つくり手」と「受け取り手」のあいだにあるもの

極力感情に左右されない意思決定をしてきた木下勝寿氏は、著書『地頭スイッチ』の中でこう述べている。

どんな商品が売れているかリサーチしつつ、競合商品のレビューを徹底的に分析し(中略)「つくりたいもの」ではなく「プラットフォームが求めているもの」をピンポイントで投入する。
――『地頭スイッチ』

あのまとめ投稿が伸びたのは、偶然ではなく、フォロワーが求めているものに合致していたというわけだ。見るべきは自分ではなく、フォロワーの反応だった。

これは発信に限った話ではない。
仕事の企画や、誰かに何かを届けようとするとき、つくり手がよいと思うものと、受け取り手が求めるものはしばしばズレている。そのズレに先に気づいた人が、同じ条件でも結果を出しやすい。

「届かない」を「届く」に変える

「届けたいものがある」という気持ち自体は、悪いものではない。ただその気持ちが強いほど、「誰」に届けるかよりも先に、つくること自体に意識が向きやすい。
求められているものを先に知る。その順番を入れ替えるだけで、仕事の設計はがらりと変わる。本書によって「届けることの意味」を深く考えさせられた。