「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。そんな木下氏が語る、「地頭が自動的によくなる人の特徴」とは?(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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ひらめきに依存しない「地頭スイッチ」とは?
何かの課題に対し「なかなかアイデアが思いつかないなあ」と思っている人は「知頭モード」で考えています。
地頭を使っている人は、ひらめきや思いつきといった不安定なものに依存していません。
アイデアはひらめいたり思いついたりするものではなく「思考アルゴリズム(考え方のクセ)」によって導き出すもの。
その地頭の思考アルゴリズムを「地頭スイッチ」と言います。
いよいよここから、地頭スイッチを入れる方法を紹介していきましょう。
ビジネスの世界には、さまざまな思考法があります。
フェルミ推定、MECEなどどれも優れたフレームワークですが、正直言えば、日常の仕事の中で使いこなせている人はそう多くありません。
忙しい現場で判断を迫られたとき、
「よし、ここはフェルミ推定で考えよう」とは、なかなかならないのが現実。
だからこそ必要なのは、誰でも一瞬で地頭スイッチが入る方法です。
地頭が自動的によくなる「モゲジョの法則」とは?
それが、これから紹介する「モゲジョの法則」。
モゲジョ――この言葉を思い出すだけで、自動的に地頭モードへ切り替わる。
非常にシンプルな思考スイッチです。
上司が部下に「モゲジョで考えてみて」と声をかけるだけで、思考の向きが変わる。
そんな社内の共通言語としても使えるよう設計しています(巻頭にあるジャバラの裏面参照)。
では、「モゲジョ」とは何か。
地頭モードで問いに向き合うとき、人の頭の中では次の順に思考が進んでいます。
① その問いが目指している「目的」を確認する
② その目的に対し、「現状」がどうなっているかを整理する
③ 目的、現状を確認すると、この「条件」で考えるべきという判断軸が見える
後はその判断軸に沿って選択肢を絞り込めば、自然と答えは浮かび上がります。
この流れを、誰でも使いこなせるようにしたのが「モゲジョの法則」です。
・目的(モクテキ)
・現状(ゲンジョウ)
・条件(ジョウケン)
地頭の思考プロセスを極限まで単純化した型
この3つの頭文字で「モ・ゲ・ジョ」。
地頭の思考プロセスを極限まで単純化した型と考えてください。
たとえば、「求人広告を掲載しなさい」という指示があったとします。
ここで、いきなり媒体を探し始めてはいけません。下の図を見てください。
図表「モゲジョの法則」
まず「モ」。
目的は何でしょう。今回の目的は「よいSEを採用すること」。
次に「ゲ」。現状を確認します。
以前、SEの採用で媒体Xに広告を出したものの応募は3人だけ。しかも採用者はゼロ。
こうすると、現状がはっきり見え、「ジョ」の条件が決まります。
「今回は、最低でも10人程度の応募が見込める媒体を選ぶ必要がある」
そう考えると、
「SEがよく見ている媒体Zに掲載」「場合によっては掲載サイズを大きく」といった具体的な答えが出てきます。
因果関係とモゲジョ
このように、モゲジョを使うと、
問い→目的(モ)→現状(ゲ)→条件(ジョ)→答え
という流れで考えられます。
過去の経験をもとに判断する知頭なら、前回と同じ媒体Xを選んだでしょう。
でも、モゲジョで考える地頭は、より効果的な媒体Zを選ぶことになりました。実はモゲジョとは、スイッチ0で触れた「因果関係」を、誰でも簡単に使える形に分解したもの。因果関係をほどいていくと、必ずモゲジョに行き着きます。
(本記事は書籍『地頭スイッチ』の一部を抜粋・編集したものです)








