長嶋茂雄氏と王貞治氏 Photo:SANKEI
現役時代も監督時代も、多くの人を魅了し続けた長嶋茂雄氏。その存在感は、通算成績や記録だけでは語り尽くせないと、V9戦士の柴田勲氏は振り返る。王貞治氏をはじめ、チームメートや関係者の誰もが「特別な存在」と認めた「ミスター」の素顔とは――。聞き手を務めるプロ野球解説者・江本孟紀氏とのやり取りから浮かび上がった、「ON」の明らかな違いとは?※本稿は、プロ野球解説者の江本孟紀『昭和・平成 プロ野球ぶっちゃけ話 「あの伝説」の真相が10倍楽しくわかる本』(清談社Publico)の一部を抜粋・編集したものです。
王貞治も認める存在
長嶋茂雄はやはり特別だった
江本 世間では(V9時代の巨人の内部は)「王派」と「長嶋派」で見られるじゃないですか。柴田さんはどっち系統だったんですか?
柴田 オレは派閥なんか全然ないタイプ。チーム内でも王派とか長嶋派なんてないよ。(2人とも)タイプが違うから。
江本 2人とも仲が悪いわけじゃないでしょう?
柴田 全然。仲悪くはないけど、タイプが違うんでね。長嶋さんは「神さま」なんでね。王さんも長嶋さんを特別視していたし、われわれもそうだった。王さんを見る目と長嶋さんを見る目は違ってた。たとえ成績は王さんのほうが上でも、長嶋さんを見る目は成績なんかじゃないよね。
江本 たしかに、そうでしょうね。
柴田 たとえば試合が終わって、王さんから、「おい、柴田、メシでも食いに行こうか」って、すしとか焼き肉、中華料理とかいろいろ誘ってくれる。でも、長嶋さんはいっさいお酒を飲まないからね。長嶋さんは遠征先の同部屋が、名古屋と広島が土井正ちゃん、大阪がオレだったんだけど、長嶋さんはお昼にステーキを食べるわけ。夜は煮魚とか、和食を食べるくらいにとどめていたから、「飲みに行こうか」というのは、いっさいなかったんだ。







