「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。ライター照宮氏がレポートする「一瞬で成長が止まる人の特徴」とは?(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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イライラが止まらない日々
公務員時代、課長から仕事の指示があるとき、必ず係長を経由した。
その係長は他部署から異動してきたばかり。
課長の言葉は伝言ゲームになり、私のところに届く頃には肝心な意図が抜け落ちていた。
「課長の考えってこういうことですか?」
と係長に確認しても、
「課長に聞いてくる」
と言って踵を返す。
そもそも業務内容を理解していないので、聞き直すたびにあいまいさが増していった。
「この人のせいで仕事が進まない」
心の中で日々イライラが募っていった。
一瞬で成長が止まる人の特徴
「本を読んだら行動が変わった」というレビューが多い木下勝寿氏は、新刊『地頭スイッチ』の中でこう述べている。
あなたが上司であっても部下であっても、「相手が悪い」と思考を止めた瞬間、成長は止まります。
── 『地頭スイッチ』より
あの頃、私がやっていたのは、係長への不満をただ積み上げることだけ。悪いのは係長で、自分は被害者。そう思っている限り、次の一手を考えなくてすむ。
でも、今思うと、自分にも手があった。
係長と一緒に目的を確認しに行けば、簡単に解決することだった。
職場で「あの人のせいで仕事が進まない」と感じることは珍しくない。
相手を悪者にするのは簡単だ。
でも相手を責める気持ちが強くなるほど、自分の視野が狭まっていく。
「職場の消耗」が消える一冊
職場の悩みを抱えているとき、たいていの人はまず環境や相手を変えようとする。
でも本書が示すのは、その前に自分の思考を見直すということだ。
職場でのイライラは、たいてい方向を間違えている。
その矛先を向けるべき相手は、最初から自分の中にいた。
本書を最後まで読んでみると、「止まっていたのは自分の思考だった」と気づかされた。








