「集中力のある子になってもらいたい」と、子を持つ親なら誰もが思うはずだ。しかし、子どもに自発的に「集中力を磨いてもらう」ことは難しい。そこで今、注目されているものがある。Google、Apple、Microsoftなどの入社試験や、小学校・中学校の入学試験でも出題され、思考力を鍛える練習しても注目される「論理的思考問題」だ。1問を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

※本稿は、野村裕之著『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』の一部を引用・編集して作成した記事です
「集中力のある小学生」が取り組んでいる、たった1つのことPhoto: Adobe Stock

「じっくり考える力」を高める練習とは?

「集中力を高めたい」

そのために最適な「練習」があります。

それが、論理的思考問題です。

知識や難しい計算は必要とせず、問題文を読んでじっくり考えれば、誰でも答えを出せる。
まさに「じっくり考える力」だけが問われる問題です。

そのため、小学校や中学校の受験問題としても出題されています。

矛盾のない真実を導けるか?

たとえば、こんな問題です。

10回のじゃんけん

A,Bの2人が、じゃんけんで10回勝負をした。

Aはグーを3回、チョキを6回、パーを1回出した。
Bはグーを2回、チョキを4回、パーを4回出した。

あいこには一度もならなかった。
熱中しすぎた2人は、何の手をどの順番で出したか覚えていない。
多く勝ったのはどっち?

「集中力のある小学生」が取り組んでいる、たった1つのこと
――『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』より(イラスト:ハザマチヒロ)

何から考えていけばいいのか、とっかかりすら見えませんが、そこに気づけるかどうかが、この問題の最大のポイントです。

一緒に考えていきましょう。

問題文に隠されたヒント

一見すると、何から手を付ければよいのかわからない問題です。

しかし、この問題で最初にやるべきことは、「新しい情報を探すこと」ではありません。

問題文の中にある情報から、さらに何が言えるかを考えることです。

そのカギになるのが、この一文です。

「あいこには一度もならなかった。」

この条件から、重要な事実がわかります。

毎回、2人は必ず違う手を出していたということです。

つまり、

・Aがグーなら、Bはチョキかパー
・Aがチョキなら、Bはグーかパー
・Aがパーなら、Bはグーかチョキ

という関係が、すべての勝負で成り立っていたことになります。

「出した回数」に注目する

ここまでわかっても、Bがどの場面でどの手を出したかまでは特定できません。

たとえばAがグーを3回出した場面では、Bはチョキかパーを出しています。

その内訳は、

・チョキ3回
・チョキ2回、パー1回
・チョキ1回、パー2回
・パー3回

など、いくつもの可能性があります。
これらを一つずつ調べるのは大変そうです。

そこで発想を変えてみましょう。

細かな組み合わせではなく、回数がぴったり一致する部分に注目します。

Aがチョキを出した回数は6回でした。

一方、Bが出したグー2回とパー4回を合わせると、こちらもちょうど6回になります。

問題文に「あいこには一度もならなかった」とあるため、Aがチョキを出した6回では、Bはグーを2回、パーを4回出していたことが確定します。

したがって、この6戦は、

・Aの4勝(Bがパー)
・Aの2敗(Bがグー)

だったことがわかります。

残りの勝負は?

ここまでで、Bがグーまたはパーを出した6回の結果はすべて判明しました。

残っているBの手はチョキ4回だけです。

それに対応するAの残りの手は、

・グー3回
・パー1回

です。

よって、この4回では、

・Aの3勝(Aがグー・Bがチョキ)
・Aの1敗(Aがパー・Bがチョキ)

となります。

以上を合わせると、

Aの7勝3敗

であることがわかります。

正解
多く勝ったのはA

既知の事実から「新たな事実」を引き出していく

この問題では、「あいこは一度もなかった」という何気ない条件をどう生かせるかがポイントでした。

そこから、「相手は必ず違う手を出している」という事実を導き出し、さらに「Aがチョキを出した6回」と「Bがグー・パーを出した6回」が対応していることに気づけば、勝敗を一気に整理できます。

問題文に書かれている情報を、そのまま受け取るだけでは十分ではありません。

そこから新たな事実を引き出していくことこそ、論理的思考の大切な考え方なのです。